以上のような情況で、それでもなおかつ、ダム計画を強行するならば、色々な無理が起こります。ダムを作る理由がもうない。環境への影響が大きい。国も地方も財政がきびしいのにお金が膨大にかかる。ダムを建設するには、これらの無理を抑えつけなければいけないということです。 民主党はマニフェストに記載した政策に必要なお金を、どこからか捻出しなくてはいけない。そのために「コンクリートから人へ」のうたい文句で予算の使い道を大きく切り替えようとする構図が、昨秋の政権交代で起こりました。 この政権交代については、色々な言い方がされています。秋に起こったからコスモス革命だと言っている人もいますけれども、私は〝サクラ革命〟と言ったらいいのではないかと思います。 なぜかというと、一つはダムを作らないことによって、サクラマスの棲む川が助かる。もう一つ、サクラには一般の客のふりをして他の客の購買心をそそるという意味もあります。 民主党とゼネコンとの関係を見ていますと、どうもダムを作るのにも止めるのにも仕込まれたサクラが入っていて、本当の実態がわからないのです。 という意味で、私はこれを〝サクラ革命〟と呼んでもいいと考えています。 いずれにせよ、政権が交代したからといって、他のことはほとんどなにも大きな変化は起こっていません。革命というにはおおげさです。
各地のダム計画の行方を占う
いま話題になっている「計画が見直しされるダムのリスト」は、予算の付け方とからんで、大きく二つのグループに分かれます。まず一つ目は・・・。
サクラマスを甦らせる方法はかんたんだ
サクラマスにとってダム建設がいいことはないと、今さら言う必要はないと思います。本誌連載では各地の川での事例を挙げてそのことを検証しきましたし、新しい単行本『桜鱒の棲む川』でも大きく触れています。・・・大事なことは、神通川では支流でサクラマスの自然産卵が行われることで、資源が支えられているということです。サクラマスにとっての問題は・・・。