「北海道外来種対策基本方針」(素案)への意見をまとめました。

2014年1月8日付けの本欄において、北海道が「北海道外来種対策基本方針」(素案)へのパブリック・コメントを募集していることをご案内しました。

「北海道外来種対策基本方針」に関する本誌の考え方は、『フライの雑誌』第100号記念号の149ページ、および2013年7月18日付けの本欄をご参照ください。

「北海道外来種対策基本方針」(素案)へのパブリック・コメントとして、本誌堀内は以下のような意見をまとめました。本件にご興味のある皆さまのご参考になればと、ここに公開します。

北海道環境生活部環境局生物多様性保全課(生物多様性戦略グループ) 御中

「北海道外来種対策基本方針(素案)」に関する意見

人間の手が入って長い時間がたった二次的自然や、改変自然がほとんどを占める日本の国土では、生物多様性の概念を条令で一律に当てはめることはそぐわない。サンクチュアリ的なゾーン以外では地域住民と利用者との話し合いの中で、身の回りの生物相を考えていくことが現実的だ。

ニジマスは北海道の川や湖で世代交代を繰り返している。移入以来、長年にわたり道民から広く利用されている生物だ。ニジマスの分布域はすでに道内全域へ広まっている。北海道のニジマスは国内・国外からの観光客にとって、魅力的なディスティネーションとなっている。

道内各地にはニジマスを対象魚として、養鱒業を営んでいる方が多くいらっしゃる。ニジマスを指定外来種に指定することは、養鱒業者の生業を奪うことになりかねない。

ニジマスは指定外来種にふさわしくない。

パブリック・コメントの提出期間は2月7日(金)までです。くわしくは北海道環境生活部環境局生物多様性保全課のウェブサイトでご確認ください。

※北海道の募集要項には「広く道民の皆様からご意見を募集します。」とあります。一見、北海道民以外は意見を送れないように読めますが、パブリックコメントへは、だれでも意見を送ることができます。居住地による扱いに差異はありません。北海道環境生活部環境局生物多様性保全課へ本誌編集部が確認しています。

人生いろいろ。釣り人も色々。意見があるなら口に出しましょう。

黙っているのは同意と同じです。

・・・・・

【参考資料1】

北海道のニジマスは指定外来種にふさわしくない(?)|フライの雑誌社

【参考資料2】

『フライの雑誌』第100号記念号(2013年8月10日発行)

【参考資料3】

フィールドレポート「ブラウン駆除の次はニジマスだ」(三浦幸浩/『フライの雑誌』第62号

『フライの雑誌』第62号所載 フィールドレポート「ブラウン駆除の次はニジマスだ」(三浦幸浩)
『フライの雑誌』第62号
『フライの雑誌』第100号記念号
『フライの雑誌』第100号記念号
魔魚狩り ブラックバスはなぜ殺されるのか 水口憲哉(著)|ブラックバスは、濡れ衣だ! 異色のベストセラー 特定外来生物法批判
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