第61号(品切れ) 特集◎日本フライフィッシングの軌跡 フライフィッシング夜明けのころの釣具業界ウラ話 「六角竿」から「ゲイシャライン」、「ハーディー来日」まで
特別座談会 日本フライフィッシングの軌跡 山田福次郎 × 斉藤英雄 × 佐々野征夫 × 山城良介
現在わたしたちが楽しんでいるフライフィッシングは、もとは海外から移入されてきた釣りだ。日本のフライフィッシングの変遷を考えるとき、かつて東京の京橋にあった『つるや釣具店』の存在は重要だ。日本のフライフィッシング用品は敗戦後まもない時期に『つるや釣具店』で扱われ、以降、時間の経過とともに全国へひろがり、現在に至っている。
先日、その京橋『つるや釣具店』で働いていた方々に集まっていただき、お話をうかがう機会があった。集まっていただいた四名の入社時期と退社時期をならべると、ちょうど敗戦後すぐから現在までをもれなく網羅した。
今回は、敗戦直後から高度成長期までの時代に区切ってお話をうかがった。それまで知られていなかった珍しい釣りであり、新しい文化であるフライフィッシングへの驚きと興味に追われ、やがてやって来るフライフィッシングの開花期に至るまでの、熱い日々の記録だ。最初期の国産フライ用品から、誰もフライを投げ入れたことのない処女釣り場まで「その季節」を知らないフライフィッシングを愛する者にとっては、興味津々なエピソードのオンパレードとなった。