FROM THE FIELD: We visited the former site of Fairless Murray Dam on Slippery Rock Creek in Ellwood City, PA, which was removed more than 3 years ago.
It’s hard to tell that the dam was ever there!
上記は、American RiversさんのFacebookから、Slippery Rock CreekのFairless Murray Damの撤去前、撤去後3年の比較。「ここにダムがあったなんて信じられないでしょう」と言っている。このダムはかつて川下りのキャンパーの障害物となっていて、何人かの命を奪ったとのこと。
合衆国では、川の利用者としてのカヌーイスト、釣り人の声が大きい。彼らは川でのレクリエーション権を主張して、河川行政へ積極的に働きかける。その結果としてダムの撤去も行われる。
ダムを作るのがカネの論理なら、ダムをリムーブするのも利用者の力関係で動く可能性はある。そのためには一般の人が興味を持って声をあげること。ダム撤去が日本でもふつうの選択肢になればいい。
日本においては、釣り人、カヌーイストには何の権利もない。開発に対抗しうる川をめぐる権利としては、漁業権があるだけだ。山形県の小国川ダムの問題などを見るにつけ、その漁業権もはなはだ頼りない。日本で釣り人の権利獲得について先駆的に活動していたのは、本誌でもたびたび紹介してきたトラウト・フォーラムだ。
じつはそのあたりの、日本での過去40年くらいの河川環境の保全に関する活動の歴史を、個人的に文章にまとめてある。そのうち発表したい。
今年2月、水産庁が「米国における釣り(遊漁)振興制度の実態調査報告書」という冊子を出版した。米国で「スポーツフィッシュ回復(SFR)」と呼ばれている魚類資源管理、釣り振興システムの運用実態を調査分析し、水産庁としての考察を加えた内容だ。SFRはこれまで日本国内で内実がほとんど知られていなかった。下に目次を掲載しておく。
「米国における釣り〜」は、70ページを超えるボリュームで専門的な用語も多い。釣り関連の大手媒体のどこかが、冊子の内容を分かりやすく紹介してくれるのを期待していたが、まだどこもやっていない。そこで本誌が企画をたてた。
『フライの雑誌』次号で、「米国における釣り〜」の内容を、かみくだいたかたちで読者へ伝えたい。『フライの雑誌』次号第102号を読めば、レクリエーションとしての釣りについて、いま水産庁がなにをかんがえているのかも分かると思う。
「米国における釣り(遊漁)振興制度の実態調査報告書」について、ご興味のある方は、水産庁 資源管理部 漁業調整課(沿岸・遊漁室)の釣人専門官へお問い合わせを。電話番号 03-3502-8111
「米国における釣り(遊漁)振興制度の実態調査報告書」 目次
1 はじめに
2 DJ法について
2−1 DJ法とは
2−2 制定・改正の経緯
2−3 SFRB信託基金
2−4 歳入と配分の実績
3 SFRについて
3−1 制度の概要
3−2具体的な内容
3−3 配分金の推移等
3−4 運用実態
3−5 利用実績
3−6 監査
4 遊漁ライセンス制とSFRの関係
4−1 米国における遊漁ライセンス制
4−2 ライセンス制とSFRの関係性
5 SFR以外のDJ法関連施策
5−1 アウトリーチ
5−2その他
6 SFRの評価・分析等
6−1 現地関係者の評価
6−2 調査担当者所見
6−3 我が国釣り関連施策との関係