月刊『山と渓谷』3月号で、小社新刊『目の前にシカの鼻息』(樋口明雄著)が紹介されました。
本誌でも紹介した大藪春彦賞受賞『約束の地』の著者によるアウトドアエッセイ。南アルプスの麓にあるログハウスで家族と愛犬たちと暮らし、渓流釣りや山歩きにいそしむ日々。巻末に山暮らしインタビューを掲載。07〜10年の季刊誌『フライの雑誌』に掲載したもののを加筆改題し、新たに書き下ろし1遍を加えた。
ヤマケイといえば、中学生の頃に地元の図書館で最新号が届くのを毎月待ちわびて、誰よりも先に借り出してため息つきながら眺め回した山ヤ雑誌であった。『岳人』読むほどの根性はなかった中学生にとっては、じゅうぶんに手の届かない大人の世界を体現していた。当時は。
今のヤマケイは、すごいよ。なんといっても最新号の特集は「特集◎おいしい山ごはん 速攻簡単でひと味ちがう/今週末から使えるレシピ38」だ。料理写真がどれもほんとにおいしそう。表紙のロゴなんか蛍光色の箔押しだ。
かつてのゴリゴリ山ヤ雑誌は、現代では中高年含む自称〝山ガール〟にとても人気なのだそうである。誌面レイアウトのセンスもおしゃれ。モデルの女の子は若くてかわいい。おばさんは出てこないか、出てきてもものすごくちっこい。もしくは後ろ姿。それでもヤマケイに関ってる人がみんな楽しそうなのは誌面から伝わってくる。
そこらへん、えらい人が必死になって二番煎じを煽れば煽るほど、出てきたがるのは業界系のおばさんやおじさんばっかりの、どこかの業界とは違うところです。笛吹けどおばさん。いやいや、素敵なおばさんやおじさんはたくさんいらっしゃいますけどもちろん。なんとなくモノ売ってこられそうなのがこわいだけで。