※2011年5月16日投稿の「放射能まみれの世の中で生きてゆく」に、気象研究所による2011年「人工放射能降下量」データを追補しました。図は記事末に掲載しています。
東電福島の事故が起こるずっと以前から、わたしたちは放射能の降りつもった地球上で暮らしている。気象研究所発表のこの図には、ここ50年来の人工放射能の降下量がひと目でまとめられている。
(『魚をずっと食べ続けたい』(水口憲哉著/日本消費者連盟)44頁より)
スタートは1950年代の核実験だ。年とともにだんだん下がっていたのが1986年のチェルノブイリ原発事故で跳ね上がっているのが分かる。そして2011年、東電福島の原発事故でこのグラフはどんなことになるのか。
これらはすべて、私たち人間が人工的に作り出した放射能である。自然では地球上になかった放射能を、人間が勝手に作り、勝手にばらまいた。そして勝手に苦しんでいるだけだとも言える。
「前から言っているように、放射能は降り続けています。これまで積もった放射能に今回の福島原発由来の放射能がさらに上積みになったということです。今までごまかそうとし続けてきたけれど、これからはそうはいきません。」(水口氏)
放射能を作ったのも、自分たちの頭上へばらまいたのも、その事実をごまかしてきたのも人間だ。とりかえしのつかない原子力事故を起こして、なおもごまかそうとしているのも人間だ。
二度と福島事故以前には戻れない、放射能まみれの地球で、これからも生きてゆかなければいけないのも人間である。
〝大事なことは、色々な仕事と暮らしの人々が、
それぞれの場で知り、知らせることをやり続けることなのです。〟
「放射能を海に棄てないでください。 ─青森県六ヶ所村再処理工場のなにが問題なのか」
(水口憲哉講演録)の一節より
昨日わたしは『フライの雑誌』次号93号の取材で水口氏にインタビューした。過去40年以上にわたって反原発へ関ってきた水口氏の口から、〈放射能へ立ち向かう〉という言葉を聞いて勇気をいただいた。『フライの雑誌』ならではの記事を作りたいと思う。
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※気象研究所の「人工放射能の月間降下量」2011年報告の図を追補。(2013/01/10)