5月13日に福島県鮫川上流域のヤマメから放射性セシウムが検出された。19日、福島県阿武隈川のヤマメからはその5倍の量の放射能が検出された。
5月26日、こんどはイワナからも放射性セシウムが検出された。場所は秋元湖、阿武隈川、田子倉湖ほか。(厚労省「食品中の放射性物質の検査結果」参照)。
測定した場所のヤマメとイワナだけが放射能に汚染されているとは考えられない。周辺の渓流や湖、水、草木、昆虫、環境のすべてが、すでにまんべんなく原発の放射能に汚染されていると考えた方がいい。
釣り人は美しいヤマメ・イワナを釣りたいだけだ。しかし原発がそれを奪った。もうキャッチ・アンド・リリースも自然保護もヘッタクレもない。すべてパーになった。しかも原発からは今なお放射能が漏れつづけている。
こんな最悪の状況下にあって、釣り人はなにを知り、どんな考えを持つべきなのか。『フライの雑誌』次号93号に、〝こういう事故が起こらないように〟反原発へ30年以上にわたり取り組んできた、東京海洋大学名誉教授の水口憲哉氏へのインタビューを掲載する。「放射能へ立ち向かう」がそのタイトルだ。
嘆いてばかりいてもしかたない。