親子連れでにぎわう江戸川放水路のハゼの放射性物質検査の結果がでた。

市川市では、江戸川がハゼ釣りの名所であることから、これからハゼのシーズンを迎えるにあたり、市でハゼの放射性物質の簡易測定を行いました。今回の検査(6月7日に実施)では、ハゼの放射性物質は基準値以下でした。

(千葉県市川市・6/13公開

これからの夏休みシーズンには毎年多くの親子連れでにぎわう江戸川放水路のハゼ釣り。その江戸川放水路のハゼの放射性物質検査が行われた。放射性セシウムは機器の検出限界値以下(セシウム合計19.42ベクレル/kg以下)であった。

東電福島第一原発事故により、日本はひとしなみに放射能で汚染された。国も自治体も食物の放射性物質検査を数千と重ねている。「放射性物質を測ったら基準値以下だから安全だ」とか「いや安全ではない」といった議論は、じつは不毛で無意味だ。なぜならそもそも基準値に根拠がないし、放射能への感受性は人によって違う。

数値だけ見れば、福島原発事故の前は食物から1ベクレル検出されただけで問題になった。それが今は、汚染されたが100ベクレルないから安全だと喧伝されている。今さら言うまでもないことだが、福島原発事故前までは100ベクレル/kgは低レベル放射性廃棄物の基準値だった。

そしてそんなことよりも、釣り人としてならば、もっとも大事なことがある。多くの釣り人は〈原発事故が起こる前までは、放射能汚染なんか気にして釣りしたことがなかった〉。これからはそうはいかない。

数値が高いとか高くないとか汚染の具体的影響があるとかないとかの議論とは関係なく、大好きな川を「放射能汚染されてしまってキモチわるい」と感じてしまう。釣り人に限らず、川遊び好きには充分すぎる実害だ。

釣り人はすでに原発事故前までの幸せな釣りを失ってしまった。起きてはいけない原発事故は起きた。そのことを今さら嘆いたり、実情をごまかしたり、被害をかくしても仕方ない。「これからどうするか」を考えたい。

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