釣りジャーナリスト協議会定例会のことなど

2015年2月13日の金曜日、フライの雑誌社も参加している釣りジャーナリスト協議会の定例会へ参加した。毎月開催されている定例会へ本当はもっと参加しなくてはいけないのだが、諸般の大人の事情により半年に一回くらいしか伺えない。たいへん残念だし、もうしわけないです。案の定、今回も会場へ(しかも少し遅刻して)着いたら、協議会のえらいひとに「おや、めずらしいひとが来ましたね」と言われた。すみません。

今日の議題は、
・フィッシングショー2014関連
 衝撃 東京会場入場者数 約34,000人、大阪会場入場者数 約56,000人
 闘論 東京会場の入場者数が年々落ちていくのはなぜだ
 激論 「アングラーズアイドル」選考方法が不透明だ

・東京電力福島第一原子力発電所の事故による水産物の放射能汚染にかかる出荷制限・操業自粛の現状と判断基準について。水産庁釣人専門官からの報告。

・水産庁漁政部櫻井政和氏から[我が国と米国の「釣り施策」]レポートの紹介。

ほか。

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以下はフライの雑誌社 堀内の感想・発言など。フィッシングショーとかアングラーズアイドル云々についてはよく分からないのでスルー。「東京電力福島第一原子力発電所の事故による水産物の放射能汚染にかかる出荷制限」については、最初の内、黙って聞いていたら、「出荷制限の基準が分かりづらい。どうすれば制限を早く解除できるのだろう」「規制値が100ベクレルはおかしい。他の国じゃ500ベクレルとか1000ベクレルだ」「漁業補償目当ての漁業者がいる」「漁協も補償もらってるの?」などの発言が、釣りジャーナリストの皆さんからポンポン出てきた。黙っていられなくて挙手。実際に原発事故被害を受けている本誌読者の現状を紹介したあとに、おおむね以下のような内容を発言した。

「出荷制限が一日も早く解除されるのは大切なことだ。しかし出荷制限の解除や、まして基準値の高い低いのどうこうを語るよりも、もう二度とこのような悲惨な事故を起こさないことが何より大切だ。いま政府はまた原発を再稼働するとか言ってるけど、つぎに原発事故があれば日本の釣りはおわる。そして原発が動く限り事故はまた起きる可能性があることを政府も認めている。いま現実に起きてしまっている原発事故の被害をなくすことはできなくても、自分は書くことはできる。ここにいる釣りジャーナリストはみんな、書くことはできる。伝えることができる」

わたしのこういう発言に対して、釣りジャーナリスト協議会の参加社の皆さんからはとくに異論や反論はなかった。「まあそうだよね」という雰囲気だった。実際に書く・書かないは各社・各人の自由だから、わたしはそれ以上は追いかけない。ただ、一部の方の、あまりに原発事故の本筋を踏まえていない上辺だけの主張や、浅い知識、差別的とも思える発言、のんびりした感想には、正直なところいらっとした。

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冊子『水産振興』に掲載された[我が国と米国の「釣り施策」]とは、これからの日本で釣りを持続的に楽しむためにどうするかを主眼においた、水産庁初代釣人専門官の櫻井政和氏による独創的な論考だ。櫻井政和氏は『フライの雑誌』第102号掲載の「DJ法」、「スポーツフィッシュ回復」の運用実態等について 米国における釣り振興制度の実態調査レポート(要約版)の著者でもある。そこから発展させて具体的な内容を今回発表した。『水産振興』のウェブサイトで全文が公開されている。ぜひご一読を。とくに「Ⅲ章 我が国における「釣り施策」は必読。水産庁の現職職員的にはかなり突っ込んだ提言がなされている。

以下、写真で紹介。

釣りジャーナリスト協議会の風景
釣りジャーナリスト協議会の風景

右が現・水産庁釣人専門官の山田源太氏、左は初代釣人専門官の櫻井政和氏。
右が現・水産庁釣人専門官の山田源太氏、左は初代釣人専門官の櫻井政和氏。

我が国と米国の「釣り施策」が掲載されている「水産振興」565号。希望者は一般財団法人 東京水産振興会へ。http://www.suisan-shinkou.or.jp/
我が国と米国の「釣り施策」が掲載されている「水産振興」565号。希望者は一般財団法人 東京水産振興会へ。http://www.suisan-shinkou.or.jp/

気になったところを赤線入れながら読んでいたらまっ赤になった。ネット上でpdfファイルで全文公開されている。画像をクリック。
気になったところを赤線入れながら読んでいたらまっ赤になった。ネット上でpdfファイルで全文公開されている。画像をクリック。

編集部の生け垣にハトが巣を作った。「でで、ぽぽー、でで、ぽぽー、でで」とずっと鳴いている。近づくと止まるが離れるとまたすぐに「でで、ぽぽー、」と始める。
編集部の生け垣にハトが巣を作った。「でで、ぽぽー、でで、ぽぽー、でで」とずっと鳴いている。近づくと止まるが離れるとまたすぐに「でで、ぽぽー、」と始める。

『フライの雑誌』最新104号
『フライの雑誌』最新104号
選ぶべき未来は森と川と魚たちが教えてくれる。─『淡水魚の放射能 川と湖の魚たちにいま何が起きているのか』(水口憲哉=著)書下ろし! 類書なし
選ぶべき未来は森と川と魚たちが教えてくれる。─『淡水魚の放射能 川と湖の魚たちにいま何が起きているのか』(水口憲哉=著)書下ろし! 類書なし