釣り具は遊びの道具だから、せっかく遊ぶのならばと、釣り人は世間からみればどうでもいいようなモノ、コトにこだわり、そこに文化が生まれる。上質な釣り道具からは、道楽に胸を張る先人たちの心意気が伝わってくる。
これは『フライの雑誌』第67号(特集◎私の好きなフライリール 回転する悦楽/2004年)118ページ、「釣り具の博物館で過ごす休日」という記事のリード文である。私が書いた。いま読むとなんか気取ってるというか若くてくさいが、7年も前のアレなので許してください。
この記事では3カ所の「釣り具の博物館」を紹介した。
江東区中川船番所資料館(江東区大島)
釣り文化資料館(新宿区愛住町)
釣り文化資料室(中央区八丁堀)
の3カ所で、このうち釣り文化資料室は閉鎖中だが、ほかの二つはいまも多くの人々が訪れている。
どちらも和竿中心の展示で、ルアーやフライといったバタ臭い系ではない。こんな世相のなかでなんとなく、ちょっとむかしの釣り人の遊びに思いをはせてみるのも、たのしい気分転換になるかもしれないと思ったので紹介します。
江東区中川船番所資料館では6月8日から8月28日まで、常設の釣り具展示に加え(この常設展はスゴい)、〝夏の釣具〟をテーマにした企画展も催している。