釣りバリの進化論
いくら理屈をこね回しても釣りは結局、
魚の口にハリをひっかけるのが目標。
縄文時代から1万年、人と釣りバリは進化したのか、
それともなんにも変わっていないのか?
魚にとっては迷惑千万な器具でしかない
釣りバリの過去と現在を、あれこれと考えました。
税込価格1,250円
ISBN 9784939003219
内容紹介
特集-釣りバリの進化論
顕微鏡は見た!ハリ先甘いか、しょっぱいか
鋭利さだけが釣りバリの性能ではないことは百も承知の上で、各社のハリ先を顕微鏡でじっくり観察してみた。 ※撮影方法:パッケージから無作為で1本を取りだし、エアで簡易清浄した後に顕微鏡撮影。全体写真は原寸。 ×50、×200のそれぞれで撮影した。
世界標準を追え フックメーカーの本音
日本が世界的に胸を張れる製造業が、 釣りバリ作り。 品質へこだわるモノづくりで、とくにフライフックにおいては圧倒的な評価を得てきたのだが…。機械バリの元祖(株)土肥富 土肥芳郎社長インタビュー
釣りバリのふるさとを訪ねて 播州探訪記
“播州”が世界で有数の釣りバリ生産地で あることは、以前アユのドブ鉤を取材したとき分かっていた。 編集部では新しい目で播州を見たいと考え、現地へ向かった。
針屋彦兵衛ここにあり 釣りバリ作りにかけた一生
山深い播州になぜ釣りバリ作りの産業が興り、 今に至るまで続いているのか。その謎を解いていくと、江戸時代末期の一人の男の人生にたどり着く。 その人の名は小寺彦兵衛。人呼んで針屋彦兵衛という。
釣りバリの考古学 北相木人を知っていますか
釣りが楽しいのは狩猟本能を刺激するからとよく言われる。 では狩猟採集生活を余儀なくされていたギャートルズたちにとっても、釣りは楽しみでありえたのかどうか。 はるか1万年前に想像の翼を広げてみると…。
… 当時、藩は独立国のようなものである。特産品の技術は門外不出とされていた。 中でも土佐の釣りバリ作りは 一子相伝の厳しい掟で守られていた。彦兵衛は一案を計じた。 お遍路さんの姿で四国を巡れば あまり疑われないかも知れない。…(針屋彦兵衛ここにあり)
… 縄文時代の各遺跡から出土している釣りバリを概観すると、その完成度が高いことに驚く。 …縄文期の釣り糸素材には、植物繊維、動物の毛、髪の毛、動物のアキレス腱などが使われていた。 縄文時代のそれと比べると、私たちのフライフィッシングはいかに化学的で、自然にやさしくない釣りであることか。…
… この釣りバリで、北相木人はどんな魚を釣っていたのか。出土している骨軸5ミリほどの魚の種名は 判定されていない。サケなのかサクラマスなのかイワナなのか。なにしろ縄文なので、化け物みたいな ヤマメがいてもおかしくない。…(釣りバリの考古学)
縄文人もマス釣りがお好き?
特別企画◎シマザキ・オリジナルノット&ノットツール解説
シマケンループノット/ノットツール 島崎憲司郎/編集部まとめ
新装版「水生昆虫アルバム」付録の「シマザキワールド11」に登場していた、耳慣れないノットをご記憶だろうか。「シマケンループ」あるいは「シマケンループノット」とは、島崎憲司郎さんの考案によるオリジナルノットである。 …シマケンループノットは、手作りの単純なノットツールを使うことで、あらかじめ想定したサイズのループで、誰にでもごく簡単に結べる。ループの形はより真円に近く、フライの動きの自由度が高い。正確な径で作れ、結び目がノンスリップなので、リーダーとティペットを結ぶループトゥループにも最適だ。 …例えばユスリカのピューパの釣りの時、フライがティペットの先で上下左右へキラメキながらフリーで動く、そのことがマス釣りにどれだけの効果をもたらすかは、容易に想像がつく。ストリーマーなどリトリーブの釣りでの優位点は言うまでもない。ドライフライでは高いドラグ回避効果が期待される。… 島崎憲司郎氏のオリジナルノット&ノットツールを初公開、詳細解説。
豪華連載陣
- 新連載 ドメスティック・海フライ・タイイング1
- レフティーズデシーバー/クレージーチャーリー 牧浩之
- ストレッチアイ2 増沢信二
- もっと知りたい!バンブーロッドビルディング7
- インタビュー 歴史に残る名竿はどこが違うか 風 磊人
- シニアにやさしいフライフィッシング 9 シニアのためのフライ入門 編集部
- 悩まないフライマンたちへ11 海を制するにはまずデータから 中馬達雄
- 新連載 どこでもフォルスキャスト1 八ヶ岳で投げる 坂本雅也
人と自然の関わりを考える
- 日本釣り場論41 どうする、どうなる、屈斜路湖
- 松本大学フライフィッシング講義録3 受け手不在の観光行政を考える 庵 豊
- 釣り場時評 51 リリース禁止とフッキング・モータリティー 水口憲哉
- 発言! 泥にまみれて ―生物多様性が必要なのは「それが人間にとって有益だから」 浜崎魚信
グラビア
- スキーナ河の秋 山岸行輝
- 隣人のフライボックス第68回 中村常人
- 優しき水辺 第67回 斉藤ユキオ
- OPA!ブラジリアンフライフィッシング 後藤司右一
- フォト紀行 秋の湖にて 吉元重光
よみもの エッセイ&釣行記/フィッシャーマンズコラム
- Who is a fool? 谷口賢太郎
- アテネ書房と「ザ・フライフィッシング」 堀内正徳
- じっと手を見る 山城良介さんの手
- 男一匹23,000km、フライの旅 真柄慎一さん
- 南麓の風景3 村川正敏
- キウイの島で4 成功する老いとは何か キョーコ=マーフィー
- きたりもん釣り倶楽部 第4話「STAND BY ME…?」 樋口明雄
- 川の生き物探検隊、出動! 夏休み親子自然探検・前篇 本村雅宏
- 唐辛子 碓井昭司
- 人生にタックル 20 チェストパックを作るの巻 カブラー斉藤