葛西善蔵と釣りがしたい

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釣り人なんてどうせはなから酔っぱらいである。

白昼の訪問者
た・す・け・て
メラメラしてきました
海を知らないサクラマス
いや、出目金はいちばんつよい
「編集長」とアジノモト
テンプレート青年
釣り師の脳
かくれ里
まっとうな釣りができない世界など
葛西善蔵と釣りがしたい
早熟カブトムシ
夜のお嬢さん
おいもを買う ほか微妙なエッセイ全62篇収録

時代に淘汰される寸前のマニアックな釣り雑誌編集者と仲間たちが織りなす、どヘンタイのセカイ。こんがらがった人生をさらにこじらせてくれる水先案内です。

たこはたこつぼが好きですが、じゆうに泳げるひろい海にもあこがれます。
(本文より)

堀内正徳=著
(『フライの雑誌』編集人)

ISBN 978-4-939003-55-4
B6判 184ページ / 本体1,500円+税
2013年6月10日発行

※本書は一般書店さんの店頭には並びません。ご注文のみの扱いとなります。書店カウンター、各ネット書店、小社ウェブサイトからご注文ください。

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> 「ルアーマガジン リバー」誌
 釣りと現代社会をゆっくりと観察しながら綴られた〝脇道〟的エッセイ(画像 2013年8月号
 世のなか正論ばかりではなく、二元論で語りきれるものでもなく、混沌は混沌でいいのだから受け入れようじゃないか、という筆者のスタンスに元気をもらった(2013年10月号 ブックレビュー「鱒の世界を読む」)

> 「FlyFisher」誌2013年9月号
 〝複雑化する世の中で、少しでも楽しく生きようとするための、著者ならではのアプローチが込められている。もちろん、マニアックなフライの話も多数。〟(画像

>  amazonレビュー 〝それぞれに理があり、くらしがあり、明日どうなるかは誰も知らないけれど未来を信じている。〟

>  荻原魚雷さん「文壇高円寺」 〝ある一行がすごく心の深い部分に刺さった。その一行のためだけでも、この本を読んでよかったとおもった。〟

>  渡辺政成さん「つり人」誌2014年3月号特集〈渓流への気持ち高まるこの一冊〉 〝この本が「渓流本」といえるかどうかは、読者に判断していただく。なぜなら、渓流釣りの場面がほとんど登場せず、編集者としての苦労話(ぐち)や、ヨッパライのことや、サツマイモを買う話などが次々出てくるだけだからだ。でもこれが面白過ぎるから困るのである。もちろん、釣りの話も時々は登場するが、あまり期待しないほうがよい。〟

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【著者紹介】
堀内正徳 (ほりうちまさのり)
学生時代に『フライの雑誌』編集部でアルバイトを始め、職を転々としつつ誌面の編集に関わる。2003年から編集人。2005年から編集発行人。編集部から歩いて30秒を流れている浅川でのハヤ釣りが日課。釣りはいいかげんで下手の横好き。有限会社フライの雑誌社代表。

[本文から紹介]

… 東京へやってきたオホーツクの男がわたしの家へ泊まった。
 翌朝、おはようの挨拶をしたら表情が冴えない。よく眠れなかったの? と聞いたら
「夜中にとなりの部屋で、ガシャガシャッって大きな音がしました。しかも何度も。誰もいないですよね、あの部屋は。なんなんですか、この家は。」
と青い顔をして震えている。
 ごめんごめん。言うのを忘れていました。それはカブトムシです。…
(「早熟カブトムシ」より)

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… 一九八九年の夏のはじめだった。読者通信欄に載っていた〈アルバイト募集〉の小さな囲み記事へ反応して電話をし、三鷹市新川にあった編集部を訪ねた。三鷹駅からバスに揺られ、中央高速道路の薄暗い高架下にあるへんぴなバス停で降りた。あたりを見回すと畑しかない。雑誌の編集部ってずいぶん田舎にあるんだなと拍子抜けした。くずれかけたような長屋の八百屋さんでリンゴをひと山買った。「おみやげなんかなくたっていいんだけど、リンゴでいいだろ。」と思ったので。五〇〇円だったが学生の身には惜しかった記憶がある。

 約束の時間の一五分前に、畑の中にあるオンボロなアパートの一階の部屋の前に立った。扉には木の表札がかかっていた。ページが擦れるほど繰り返し読んでいた雑誌のロゴと同じ文字で「フライの雑誌」と刻んであった。脇に古いスバル・レオーネと中型バイクが駐まっていた。側溝は夏草でうまっていた。呼吸をととのえてから部屋の扉を叩いた。いきなり半分だけ扉が開き、眼鏡をかけた目の細いおじさんの顔がのぞいた。それが二カッと笑って「やあ、いらっしゃい。」と言った。あわてて頭を下げたはずみに八百屋の袋を落とした。靴が散乱している狭い玄関とその下のたたきへリンゴがコロコロと転がった。「お。」とおじさんが言って一緒に拾ってくれた。二人で袋に戻し終わったそのリンゴを、「どうぞ。」と袋ごとおじさんに手渡した。「お。」と言われた。…
(「あとがき」より)

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葛西善蔵と釣りがしたい 
こんがらがったセカイで生きるための62の脇道

INDEX

編集者無頼 006

「ああ、お父さんもですか」/ その崖は「ならさわくずれ」と呼ばれている / た・す・け・て / 白昼の訪問者 / 幻の湖 / 「ニューキャッスル」のネコ / たこはたこつぼが好きですが / メラメラしてきました / ビールはうまいな! / お願い、同伴して! / 定価を半分にしてもらえないか、と著者は言った / 不都合な新宿 / クロスオーストリッチとシンクロニシティ / 葛西善蔵と釣りがしたい / バタバタしてまして / あざーす / 英国紳士は大ジョッキを紙コップのように空ける / 産經新聞ごめんなさい / 夢のまた夢のサクラマス / 八〇〇万年前から人類でした / 美人の条件についてかんがえる / あなたは「利き鮭」ができますか? /「いや、出目金はいちばんつよい」 / ガソリンアレイとたんばりん / 本を捨てる /「編集長」とアジノモト / テンプレート青年

川には色々なものが流れている 

釣り日記はいらない 080

きのう河口湖で / この雨が上がれば / 海を知らないサクラマス / ナマズを釣る / 芦ノ湖ワカサギと小バス入れ食い / 近所の川でハヤ / ハゲじゃないです、ボウズです /釣り師の脳 / 玄界灘アジ釣り合戦 / 河口湖で異国の少年少女と交流する / アテネ書房と『ザ・フライフィッシング』/ 秋の釣り / それは釣りの効能か、あるいは逃避か

かくれ里 

日々釣りのことばかり考えている 118

編集部は元気です / お代はいくらでも / まっとうな釣りができない世界など /「キャッチ・アンド・リリースなら釣ってもいいじゃないか」とだけ主張するお立場には賛成できません / なかまのために捨て身であること / 出会いは小さくとも/ 「渓流魚の人工産卵床作りに汗を流す」は間違いです / 数釣り競争は面白いか / 遊びと獣害をフライフィッシングが止揚する / オホーツクの男と河口湖へ行く / 釣りの〝ゲレンデ〟がほしい
池をつくろうと思う 

夜のお嬢さん おいもを買う その他 150

夜のお嬢さん / 早熟カブトムシ / おいもを買う / おいもを買う パートⅡ / プライド青果のおじさんは / 満面のFさん / Tさんのノート
じゅばっ、じゅばっ、じゅばばばっ

あとがき 180

葛西善蔵切り抜きパス

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