ありがとう、しょうこお姉さん。はじめまして、たくみお姉さん。いくら美人とはいえ、さすがに三十路になって自分をお姉さんだと言い張るのは無理が目立ち始めたしょうこお姉さんに代わり、昨日からの「おかあさんといっしょ」には新しいうたのお姉さん、たくみお姉さんがブラウン管に登場している(ウチはまだブラウン管)。今度は正真正銘の〈お姉さん〉である。
しょうこお姉さんからの引継ぎ式のときは緊張と遠慮のためか、声を絞り気味でかすかなビブラートもあったたくみお姉さんだが、今日の放送ではもうすっかり落ち着いて、気持ちよさそうに歌っていた。のびやかな高音がすばらしい。一部マスコミではアニメ声と言われているが、それはちょっと違うのではないか。たくみお姉さんの声はクラシックなソプラノに世俗のコショウを振った感じで、オペラには無理でも、朝の忙しい時間に聞くには好ましい声質といえる。雑巾をしぼるように声帯を使うアキバ系とは比肩しがたい。
ビジュアル的に言うと、ぱつんぱつんの頬っぺたはちょっと気になるものの、それは現役音大生の若さ故である。これからうたのお姉さんの激務を数年間に渡ってこなしていくにつれて、今は地球の重力に反発しているかのような頬っぺたも、いい具合に熟して落っこちてくるのではないか。果実は腐れかける寸前に収穫するのがよろしい。
たくみお姉さんのダンスに関しては、宝塚出身のしょうこお姉さんと比べてしまうのは酷だが、その分、欧米風の肉感的な魅力がフォローしてあり余る。知らないうちに豊満に育ってしまった自分の身体を持て余しているかのように、少しもたつくのがまたいい。そこらへんは体操着がよく似合っていた平べったいしょうこお姉さんには期待できなかった要素なので、世の中のお父さんたちは、「こういうのもいいな」と、にやけていることだろう。
ただ一抹の不安があるとすれば、たくみお姉さんはこの先ちょっと気を抜くと、東スポに「激デブ」とまで書かれたケイト・ウィンスレット化する可能性が、ひじょうに高いと見た。もしケイト・ウィンスレット化したときに、たくみお姉さんが体操着を着られるのかどうかは、将来の「おかあさんといっしょ」にとって大きな不安材料となる。豊満な体操着がいいというお父さんも中にはいるでしょうけれども。果たしてたくみお姉さんの体操着はあるのだろうか。
ということで、新しいうたのお姉さんになったたくみお姉さんの、就任後2日間を観察しての総論としては、「やっぱり若いっていいな」である(結局そういうことか)。今後の「おかあさんといっしょ」からますます目が離せなくなった。
たくみお姉さんとはまったく関係ないが、もういいかげん解散・総選挙をした方がいいのではないか。言い逃ればかりが上手な東京都知事も、すぐに辞任してほしいのは言うまでもない。400億円返せるのか。