某本栖湖へ行って来た

いちばんいい季節の本栖湖へ行った。現地で合流する仲間は、都内の集合場所を午前2時に出発するという。すげー。私はもちろん無理なのでアラームを午前3時にセット。それでもすごい気合いの入りようじゃないか、おれ。

天気予報では今日は朝から大雨間違いなし。じつは私はすこぶるつきの晴れ男なのだが、さすがに梅雨前線とタッグを組んだ巨大な低気圧2個は手に余り、夜明け前の空は予報通りの激しい大粒の雨だった。しかし雨となって私は内心うはうはである。この季節の暖かい雨が降る湖の釣りでは、かつて、信じられないくらいに素晴らしい釣りを経験したことがあるのだ。

それはまさに一投一尾、私のフライに神が宿ったかのようなイレグイの一日だった。その忘れられない経験はこの10年間に渡り、何回も何回も何回も周りの皆さんに語って来たので、いいかげん自分でも飽きてしまった。でもいまでもあの日の光景はまざまざと思い出せるし、誰かが聞いてくれるならいつでも30分は熱く語る自信がある。恵まれない日常生活を送っている人ほど、たまの幸運をよけいにありがたく感じられるものだ。あなたはいつも銀シャリを食べていますか。

さて今日の本栖湖はこんな大雨にもかかわらず、いつものポイントに到着すると薄暗い岸際へ、もうフライマンが10数名も並んでいる。みなさんいかれてますねえ。先着隊を見つけて様子を聞くと、反応も釣果もそこそこだという。いや、一人だけ、釣りまくっている人がいる。私が見ている間にもポンポンといい型のマスを釣り上げた。この方の釣りを生で見るのは今日が初めてで、すごく釣る人だよとは噂で聞いていたが、ちょっと異様な域に入っている方のようだ。

結局朝マズメの釣りが終わったとき、私を含めたその他のふつうの人々はそれぞれようやっとちょぼちょぼと数匹ずつ型を見た程度。しかしながら、すごく釣る人だけはなんと20匹を軽くオーバー。その気になればまだまだ釣れたけど、という感じだった。なんなんだこの差は。世の中には恐ろしい人がいます。

本栖湖は来月いっぱいまでたのしめそう。魚も放流ものにしてはまずまずの美しさ。注意点としては立ちこまないこと。水に入れば入るほどライズは遠くなります。追えば追うだけサヨウナラなのは、人も魚もいっしょです。