公共放送のお昼の番組で立川談春師匠の『桑名舟』をやっていた。朗々とした総合講談を思いがけず聞くことができて、拾いものをした気分だ。
世の中には自分の専門分野でも一流、文章でも一流という書き手が何人かいて、談春師匠もその一人。前にも記したが、『エンタクシー』に連載していたエッセイ「談春のセイシュン」はすごかった。談志一門のはちゃめちゃぶりはもちろんのこと、談春師匠の地の文章そのものの魅力が大きい。
あの文章は書こうとして書けるものではない。連載をまとめて改題した単行本『赤めだか』が評判なわけだ。今朝の新聞広告に出ていた高田文夫氏のコメント「直木賞でももらっとけ」はその通りだと思う。