今朝の毎日新聞「楽しむナビ」に

『フライフィッシングに挑戦したい』というタイトルの記事が掲載されている。

〈虫を模したフライ(毛針)を使うフライフィッシング。餌釣り、ルアー釣りと比べて「難しい」と敬遠されがちだが、初心者でも楽しめる。〉との書き出しで、フライをタイイングして実際に魚を釣るまでを、フライ未経験の記者さんが体験する企画だ。事情により私がピンチヒッターで指南役になった。

 文章は毎日新聞のweb版でも読めるが、実際の掲載記事はカラーで、全国紙に似合わないヒゲナガの生々しいラーバとか、私が適当に巻いた本当にへたくそなCDCカディス(スレッドは赤)とかの写真も載っていて笑えるので、よかったらどうぞ。

 取材日には、2番から4番のタックルを4セット用意しておいた。釣りをするのは40過ぎの記者さんと8歳の娘さん。2人ともまったくの未経験者だ。そこでテイストの違うロッドを複数振ってもらった中から、自分が使いやすいと思えるタックルを、素直に選んでもらおうと考えた。

 広場で自由に振ってもらった後、2人が選んだのは、6フィート6インチの、とある国内ビルダーのバンブーロッドだった。ブランク全体がしなやかに曲がるアクションが気に入っており、私が普段から使っている一本だ。娘さんは「これ振りやすい。」とそのバンブーを握って離さず、びっくりするほど美しいループを描いていた。お父さんの方はというと実の娘さんよりぐっとレベルが落ち、ロッドをぶんぶん振って「意外とかんたんですね」とか言っていた。おいおい。
 
 私がラインナップしておいた他のロッドは、低弾性のグラファイトで、いわゆるパリパリ系ではなく、ラインの重みを感じやすいアクションの竿ばかりだった。ロッド全体の質量はバンブーよりグラファイトの方が軽いのに、力のない8歳児はそれでもバンブーロッドを選んだ。低番手の場合はわずかな質量よりもアクションの差が大きいのだ。

 子どもに選んでもらえるフライロッドって、なんだかいいなあと思う。