TBS「関口宏の東京フレンドパーク」という番組に、〝一億人のうたのお姉さん〟はいだしょうこお姉さんが近日中に出演するそうである。チームを組むのは、ひろみちお兄さんとゆうぞうお兄さん。言うまでもなく「おかあさんといっしょ」が生んだ超メジャー級のスーパースターズだ。
この番組では、そこらへんの三流タレントがつまらないゲームをするのを、スタジオのひな壇に並べられた観客がみんなでいっしょに手を叩き、声をそろえて応援するわけだが、彼らはいったいなにが面白くてそんなことやってるんだか、さっぱり分からない。友だちでもないのにフロアディレクターの指示にあわせて嬉々としてウェーブなんかするシーンに至っては、こいつらバカかと赤面きわまりなく、無言でチャンネルを変えるのが常である。
しかしながら今回はスーパースターズなしょうこお姉さんが出るというので、これは当然のことながら圧倒的に応援しなくてはならない。ぜひあの、大きな手袋をつけてベルクロを貼った壁面にジャンプするドキドキものの「ウオールクラッシュ」で(なんで知ってるの)、しょうこお姉さんに100点満点を獲ってもらいたい。そして「しょうこがんばりましたぁ。」と気の抜けた声でいやしてほしい。
いつだったか、ヨーロッパのいわゆる文化人風が日本のテレビ番組を評して、「笑ってるか食べてるか、どちらかだね。」と(フフンと鼻を鳴らして)コメントしているのをどこかで読んだことがある。自分ではうまいこと言ったと思っているんだろうが、何をえらそうに。平和でいてこその笑いと食欲である。阿呆で大いに結構だ。
しょうこお姉さんの躍動するアラサーな肉体を、お茶の間にいながらにして堪能できるなんて、これ以上にピースフルなテレビ鑑賞があろうか。ちなみに、私の携帯のメール着信音は、しょうこの着信ボイス第三弾からダウンロードした「しょうこが、メールを運びにきました!」である。音量マックスにしておいたのを忘れて公共の場でこれが鳴るとなかなか恥ずかしいからね。そこをあえて無表情でやり過ごすのがフライマンの矜持である(どこが)。
しょうこお姉さんを応援しつつ、何か気の利いたことを書こうと思ったが、どうもオチを考えつかない。考えつかないままに、オチることにする。ヒトなんて睡眠時間2、3時間くらいがひと月続いても意外に死ななくて強いもんだなと改めて分かった、『フライの雑誌』第83号校了日の夜である。