『フライの雑誌』次号特集の取材で、信州は上田市へ初めて行った。ほんのわずかの滞在だったが、街が漂わせている品の良さみたいなものを感じた。
街の文化的な成熟度はその街にある喫茶店の質と量に表出すると、私はかねてから思っている。その点、上田は人口規模に比してまっとうな喫茶店の密度が高いようだ。喫茶店のない街は街じゃない。
取材後にお腹が減ったので、目についたソバ店へ中途半端な時間に飛び込んだ。「手打ちソバ」と大きく看板を掲げているとおり、たしかに誰かの手で打ったのはまちがいない、千切れまくりのスゴいソバだった。しかしながら、親子三代家族経営の温かみのダシが効いていて、しみじみとおいしかった。
私はこういう店が好きだ。