『フライの雑誌』最新第84号 <日本釣り場論60 あの『釣りキチ三平』が実写映画化、気になる中身を先行紹介。鈴木康友氏インタビュー >より抜粋。
─ そこでいきなり魚紳さんですか。矢口先生はもともと映画好きですので、基本的にはもちろんいい映画になると思うんです。ただわたしが引っかかるのが、愛子姉ちゃんの扱いなんですよ。愛子姉ちゃんは「三日月湖の野鯉」篇で登場して、後に魚紳さんと婚約する重要人物ですが、映画では、原作にない三平のお姉さんという設定になっているじゃないですか。これはどうなんですか。
鈴木 愛子姉ちゃんは、三平と年の離れた東京にいる実のお姉さんなんです。三平のお父さんは沖縄へ釣りに行って行方不明になった。お母さんはその心労が元で亡くなった。おじいさんの一平は時代遅れの竿師だ。(中略)そこで夜泣き谷にいるという幻のイワナを釣り上げられれば、東京へ行かなくてもいいじゃないか、とドラマが始まるんです。
─ 三平のお父さんは三平平ですよね。「呪い浮子」篇で、おぼれた三平を助けるのが、記憶喪失になった三平平でした。私の友人の三平ファンは「三平は〈母を訪ねて三千里〉のお父さん版だ」と、喝破していました。ここは、おおらかにかまえた方がいいんでしょうか。
鈴木 滝田洋二郎監督には家族愛と自然の大切さを表現したいという思いがあります。脚本家さんも原作の味わいを大切にして、しっかりとした人間ドラマ、家族愛の映画に仕上げてくれています。矢口先生も映画と原作の違いをきちんと理解してくれました。だから撮影現場には来られませんでしたね。来てしまったら、ぜったい口出しをしてしまうだろうからということで。さすがですよ。
─ うーん。とはいえ愛子姉ちゃんに私は惚れていましたからねえ。 そうだ。ユリッペの扱いはどうなんですか。
鈴木 ユリッペについては、、、
第84号掲載の映画『釣りキチ三平』鈴木康友氏へのインタビュー記事について、先日反省した。取材相手よりも口数が多いインタビュアなんて、インタビュアとしてはもちろん大失格だ。しかし活字になったものをあらためて読み返してみると、我ながらおもしろい。少なくともこれだけバカなインタビュアは、一般マスコミにはぜったいいないし、映画『釣りキチ三平』がアカデミー賞を受賞した大監督の最新作となった今、こんな失礼きわまりない記事は不敬罪というものだ。そのうち圧力がかかって読めなくなってしまうかもしれない『フライの雑誌』第84号はお早めにどうぞ。
明日、東映さんが主催する映画『釣りキチ三平』の完成披露試写会に呼んでいただけることになった。東映さんのホームページで知った「試写会チケットプレゼント」宛に、先日私が書いて地元のポストに入れたハガキが、見事当選したのか。それともどなた様か関係者様のご高配か。生三平、生魚紳、生ユリッペの囲み取材まであるとのことで楽しみだ。明日は、昨日の解禁日に第81号「桂川ヤマメ対談」の両氏が早くも尺ヤマメを連発させた桂川へ行こうと思っていたが、『釣りキチ三平』へ行くことにする。桂川へは今日行こう。いのち短し。釣りせよ中年。