カメ用ヒートランプを買う。

南大沢のペットエコ横浜・多摩店へ初めて行った。カメ用品の品揃えがすごい。通りがかった店員さんに声をかけた。栄養のいい爬虫類風の推定38歳。(どうかな)

あのう、カメを飼っているんですが、カメ用のあたためるランプはどれがいいんですか。「…どういうのがいいか、それは環境によります。まず水槽は何㎝でしょうか」。45㎝、いえ60㎝です。「次に昼間あたためてあげたいのか、夜が問題なのか」。昼間にエサあげようかと思って。「ふむ。むしろ問題は夜なんです」。以後、カメ用ヒートランプのくわしいレクチャーが始まった。

このお兄さん、最初はこっちをど素人さん扱いで接客しはじめた様子だった。たしかにこっちも「おれなんも知らないんです」風で話しかけていた。でも本当は熱帯魚飼育歴20年のおれを素人扱いされてもなあと思って、お兄さんの専門用語に少し反応してみたら、チラとおれを見て、途中でギアを変えやがった。あとはお兄さんの波状攻撃になすすべなく翻弄された。おれは「はい、はい」ずっと言ってただけ。

お兄さんが風のように去って行った後、推せんされたそのままのランプとソケットを持ってレジに行ったら、満面の笑みで「ありがとうございます。もしよろしければ…」と、年会費350円の会員カードへの入会を紹介された。お断りできようはずもなく当然入りました。おれこのお店の顧客決定。こういうのが対面販売のお店の醍醐味ですな。

お金を払ったときに「こちらのお店はカメ関係の品揃えすごいですね」とおそるおそる言ってみたら、お兄さんニヤリと笑った。

ふつうの社会生活にはあんまり関係ないマニアの圧倒的な知識と経験の前に立ってうち震えるのがおれは好きなんだ。『フライの雑誌』の寄稿者さんたちもまったく同じ。中途半端だとこっちも反撃するからね。

これでこの冬もあたたかいよ。