『淡水魚の放射能』(水口憲哉著)は、濃い! きびしいこともある。しかし、希望もある。打ち合わせ写真公開。

昨日はこの夏に出版する予定の『淡水魚の放射能』の打ち合わせで、著者の水口憲哉氏(東京海洋大学名誉教授)のご自宅へうかがってきた。

チェルノブイリと福島事故の比較にはじまり、過去半世紀にわたって世界じゅうで行われてきた核実験と原発事故による生物の被ばく、イギリスの再処理工場による海洋汚染、福島事故による汚染の現状と今後の展開などなど、『淡水魚の放射能』に掲載予定の項目ごとに、現在の原稿の進行状況をひとつひとつ説明してくださった。

気になる日本の淡水魚の放射能汚染 ──アユ、ワカサギ、ヤマメ、イワナ、ブラックバス、ウグイなど── についても、昨年から現在まで公表されている1000を超える淡水魚の放射性物質の検査結果を解析し、魚種ごとの汚染の中身と、いまのほんとうの状況、今後の展開を見とおす。このような研究は日本ではまったくなかった。初めてのしごとだ。

福島の原発事故は大したことはないとか、これから先もたぶん大丈夫とか言う人は、チェルノブイリ事故の数年後に子どもらに起こった悲惨な被害を見たことがない方か、見たくない方か、あるいはねつ造された情報にしか接していない方ではないだろうか。

水口氏は環境と原発の問題に40年近くにわたって自らの身体をはって、最前線で取り組んできた。その水口氏ならではの視線の先に、たしかな現実が見えてくる。わたしたちの次を生きる人々のために、うそやごまかしはゆるされない。きびしいこともある。しかし、希望もある。

だれにでも分かりやすいこと、身近なこと、どこにも載っていないことを載せる。これが水口氏と編集部が考えた、『淡水魚の放射能』のコンセプトだ。濃密な一冊になる。

『フライの雑誌』次号第97号(7月中旬発行)に、今夏注目の一冊、『淡水魚の放射能』の予告編を掲載する。

昨日の取材の様子を紹介します。


『淡水魚の放射能』はフライの雑誌社から今夏発行予定です。