淡水魚と放射性物質の関係に詳しい水口憲哉・東京海洋大名誉教授(海洋生態学)は「山は放射性セシウムのたまりで、セシウムが水と一緒に循環して一部が湖や川に流れ込み、流域の生活圏に影響を与えている」と警告。一方で「山を除染することが最も効果的だが、表土をはげば崖崩れや鉄砲水の危険が高まるため現実的には無理」とジレンマを語る。
毎日新聞2012年8月3日「クローズアップ2012」
緑のダムと言われる山は、放射性セシウムをもためこむ。そして放射性セシウムは、森、川、湖の生態系を水といっしょにぐるぐるまわりする。泥に吸着し、生き物を汚染し、人間の生活圏にも影響を与える。
水口憲哉氏の近刊『淡水魚の放射能 川と湖の魚たちにいま何が起きているのか』(フライの雑誌社刊)には、第2部「東日本の淡水魚の放射能汚染」を設けました。
第4章「生態系としての問題」では、福島原発から放出された放射性セシウムが、どのように東日本の森と川と湖の生態系を汚染したのか、汚染はこれからどうなるのかを、わかりやすい図表を用いて論考します。
・・・
・・・