微熱メモ。

○先々週から先週にかけて動きすぎたのか、このところ微熱気味。微熱の少女で病気の日なら樹村みのりで美しいが、微熱中年では汚物以外の何ものでもない。ぼーっとしている中年の耳のなかに、「弱っさくだねえ」という子どものころの母親のため息がよみがえって聞こえてくる。でも微熱くらいのほうがあたまに浮かんでくることもある。

○20数年前、就職して社会人になりたての春に、社内の各部署を回らされる新人研修というものがあった。鼻毛をだした黒ぶち眼鏡の先輩社員(30代)と白昼の喫茶店でさぼりつつ、プロレスラーで誰が好きかという話題になり、「男ならみんな立野記代が好きだよな。そうだろ、がはは!」と豪快に同意を求められた。ものすごい読書家だったその先輩は会社員としてはペケ社員だったがぼくは好きだった。といっても同性愛ではない。そのカイシャには4年半お世話になりました。

○1冊980円くらいのワンテーマ叢書をだしたい。制作も営業もぜんぶ自分がやるので、1000部売れてくれれば続けられるだろう。ただし初版だけでは著者印税が払えない。そしていまのご時世だと1000部売るのがじつはたいへんきつい。『フライの雑誌』関連のストックだけでも出したいテーマはたくさんあるし、ぼくが考えているような本を喜んでくれる読者は一定層いてくれると思う。なによりそういう本はうち以外から絶対出ないから、どうしてもやりたいと思うのだが。銭があればネ!

○秋月岩魚、ミスター高橋、北公次、長門裕之、長谷川理恵。これらの人々の切なさについてはいずれもっと深く考察したい。いや、そういう本を出したいわけではなくて。

○昨日の朝、完成した新刊『淡水魚の放射能』について著者の水口憲哉氏へ電話で、ありがとうございました、と、たいへんお疲れさまでした、を言う。水口氏はもうとっくに次のテーマについて企画を巡らせていた。さらに、読み終えたばかりだという琵琶湖がらみの英文の学術書の内容について分かりやすくレクチャーしていただく。〝先生は本を一回読んだだけでぜんぶ覚えてしまうんですよね?〟といつか聞いてみたい。

○さっき〝微熱かな〟と言ったが、せいぜい37℃。ただしぼくの平熱は35℃なので、これはふつうの人の38℃に相当する。だからいたわってほしい。中年だけど。

○今日から『フライの雑誌』第98号の編集作業に入る。10月末発売予定。季刊なのに去年1年間で発行日がひと月半ずれた。マヂデ━━━(゚∀゚;)━━━・・ マヂみたい。