まず「いま何が起きているのか」を知ること。日本野鳥の会〝ツバメの異変〟調査

今年1月に『フライの雑誌』が取材した時は「うちら食べて応援キャンペーンしてるし」とよく分からないことを言っていた日本野鳥の会だが、7月の「脱原発公式見解発表」を経て、野鳥への放射能汚染の影響調査を始めたようだ。

先日角田市でツバメの尾羽の不均一な個体を複数確認しました。その折、5巣を採取し汚染状況を調べたところ、2巣からそれぞれ7,200、6,700Bq/kgの放射性セシウムが検出されました。他の3巣は平均2,100Bq/kgでした。卵から巣立ちに至るまで日々これだけの放射性セシウムを含む巣にいると、ツバメにどのような影響を及ぼすのか、今後注意していく必要があります。 @wbsj_tsubame

本当に〝放射能による鳥の異変〟なのかどうかは、現段階では推測の域を出ない。しかしチェルノブイリ原発事故によりウクライナやベラルーシ、ロシアにおいては、淡水魚に細胞学的なレベルでの〝異変〟が起きていることが、多数報告されている。

『淡水魚の放射能 川と湖の魚たちにいま何が起きているのか』(水口憲哉著)のボックスでは、その異変例を紹介した。どれもゾッとするほど厳しい。事故から25年たった現在でもチェルノブイリの放射能汚染とその影響は厳然とある。そして福島事故からはまだ1年半しかたっていない。

日本の野生生物にこれからどのような異変が出現するのかは、わからない。そしてそれが人間の暮らしにどのような影響をおよぼすかも、わからない。

私たちは、まさにまず私たちの身のまわりで「いま何が起きているのか」を知ることから、始めるほかない。

できれば知らんぷりしたいけれど、子どもの世代を思えばそうは言えないではありませんか?