小田扉氏の最新単行本『ちょっと不思議な小宇宙』(アクションコミックス) を出遅れたが読了。この作家の天才性について誰かとそこらへんのどうでもいい喫茶店でおいしくないコーヒーを前にして小一時間語り合いたい。土手に座って夕陽を浴びながらでも可。過去の小田扉作品で個人的一推しは『男ロワイヤル』。『団地ともお』が二推しです。
さいきんマンガ雑誌を読むのがつかれる。嫌いな作家のマンガをむりやり読ませられるのが異様に辛くなった(なんでおれが弘兼憲史を読まなくてはならないのかと)。以前はもう少し自分の受け身の懐が広かったような気がする。相手をいなせたはずが、まともに喰らうようになってきた。たぶんトシのせいだろう。
これってジャンルは違えど編集者としては致命的な劣化だが、致命的だけにあまり考えないことにする。とにかく弘兼憲史と柴門ふみは嫌いなのだ。だって夫婦そろって差別意識丸出しの自意識過剰できもちわるいじゃん。
そういえば『フライの雑誌』でも、連載記事で毎号物議をかもす常連寄稿者さんについて、「○×が書いてるから『フライの雑誌』は読まない」と多くの読者さんから何度言われてきたことか。すごく読者を失ってきた。そんなこと言わないで、○×さんの書くものにだっていいところもあるんだから、と思ってたけど、自分も一読者としてなら実は特定の誰かを生理的に拒否りたくなる気持ちはよく分かる。すみません。
いろいろ取り揃えたなかで好きも嫌いも感じてください。雑誌全体でひとつの世界感が伝われればいいなと思います。という押しつけが雑誌という媒体の宿命です。であるがゆえに、情報を個人で取捨選択することが可能になった現代においては、まさにお仕着せのパッケージ文化は終焉に向かいつつある。と、知ったような顔をしてみます。
とにかくなんでおれが弘兼憲史を読まなくてはならないのか。申し訳ないけど最初に破り捨てちゃうもの。「黄昏流星群」。