選ぶべき未来は森と川と魚たちが教えてくれる。─『淡水魚の放射能 川と湖の魚たちにいま何が起きているのか』(水口憲哉=著)の発行から半月、各県の内水面水産試験場や大学の水産系・魚類系研究者からの反応が意外と少ない。研究者に向けて書かれた本ではないにしても残念。
恋人のアラなど見たくないということか、見ないようにしているのか、メシのタネにけちをつけるなということか、あるいは起きた事象のあまりの大きさに立ちすくんでのエポケーか。
一般の釣り人、漁業者とは異なる価値観で常日頃から魚に接している水産研究者は、淡水魚の放射能汚染を職業倫理的にも直視してほしい。もちろんつらいことだろうというのはよくわかる。