『Fishing Cafe』誌は釣りをテーマにした上質な季刊誌です。
大岡玲さん著の『文豪たちの釣旅』はもともと『Fishing Cafe』誌のシリーズ連載です。連載終了後、版元のシマノさんからご快諾と応援をいただいて、小社から『文豪たちの釣旅』として単行本化させていただくことができました。
その『Fishing Cafe』誌の最新44号で、一ページを使って『文豪たちの釣旅』の素敵な書評をいただきました。その一部をご紹介します。
…ユーモアに満ちた話のなかに織り込まれた、厳しさや切なさが印象的だ。不確実な自然を相手に釣りをしながら人間の卑小さを認識し、その一方で自然にどんどん手を加えてきた人間の浅薄さを嘆く。釣り万歳、人間万歳では終わらないぶん、じっくりと読みたくなる。
いい書評というものは、その本を読んだ後の人にはそれを言いたかったんだとヒザをうたせ、未読の人にはいますぐ読みたくてうずうずさせてくれます。『Fishing Cafe』今号の特集は「〜出雲国の釣り文化を探る〜神々の釣り」。『Fishing Cafe』ならではの奥行きを感じる読み物です。巻頭インタビューでは以前『フライの雑誌』に連載いただいていたカルロス菅野さんがご登場されています。
そして未読の方はぜひ『文豪たちの釣旅』に触れてください。『文豪たちの釣旅』は釣り人にはもちろんのこと、釣りをやらない方にも広く楽しんでいただける一冊です。
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芥川賞作家 大岡玲が案内する
日本の文豪14人が描いた釣りと旅と、その作品世界
大岡玲さんはこれまで多くの著作のなかで釣りへの愛を語っています。『Fishing Cafe』誌に連載された〈文豪たちの釣旅〉シリーズは、日本の文豪14人が描いた釣りと旅へ大岡さんが着目。大岡さん独自の楽しい視点で文豪たちの作品世界へ誘う文学案内として高い評価を受けました。
今回その『文豪たちの釣旅』が、フライの雑誌社から初めて単行本化されることになりました。初出時の本文へ大幅に加筆、さらに単行本書き下ろしの一章を加えました。釣りと旅と人生の味わいが存分につまった一冊です。
どうぞごゆっくりお楽しみください。
この本に登場する文豪たち
開高健 幸田露伴 井伏鱒二 坂口安吾 戸川幸夫
岡倉天心 福田蘭童 山本周五郎 佐々木栄松 中村星湖
立原正秋 尾崎一雄 森下雨村 池波正太郎
新書判272頁/1200円(税込)