このあいだのボサ川釣行(2021)でもスッパスパ切れたので再掲。
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クモの糸を人工的に作った「合成クモ糸繊維」の量産技術の開発に、山形県鶴岡市のバイオベンチャー企業が成功し、24日、東京都港区の六本木ヒルズで、織り上げたドレスを披露した。クモ糸は、鋼鉄より4倍ほど強く、ナイロンより柔軟なことから「夢の繊維」と言われる。だが、クモは縄張り争いや共食いが激しく
クモの糸を人工的に合成する技術が実用化したと報じるニュース。鋼鉄より4倍強くナイロンより柔軟な夢の繊維でドレス作っても、仕方なかろう。釣り糸作ってほしい。
『フライの雑誌』の第41号(1998年3月)で、[クモの糸のナゾ ほんとうに、クモの糸でティペットは切れるのか?]という企画をやった。
この企画はもともと「読者通信」に寄せられた読者の三十尾生彦さんからの質問、「釣りをしていてクモの糸でティペットが切れた。平行に張られたクモの巣に対してティペットが直角に落ちたとき、瞬間的にティペットが溶けたとしか思えない。そんなことがあるのだろうか。ナゾを解いてほしい。」というものだった。
渡辺貴哉さん、木住野勇さん、西山徹さん、加藤憲司さん、斉藤完治さん、里見栄正さん、早津茂さんの釣り人7人に、ご経験とご意見を聞いた。回答が七者七様で興味深かった。
専門の研究者にも意見を聞こう。ということで、わたしが国立科学博物館へ電話して取材を依頼した。電話の向こうの窓口のお姉さんに「あのう、クモについて伺いたいのですが…」と言いかけると、「それはお空の雲ですか、スパイダーですか」とすかさず逆質問された。「ス、スパイダーです」と焦りながら答えた記憶がある。
さっそく、高田馬場駅近くにある国立科学博物館の分館へ出かけていった。うっそうとしたその敷地は、学生相手の食堂とラーメン屋と雀荘が連なる、わい雑でせせこましい馬場の浮き世とは別セカイの、トトロの杜であった。こういうところで何ごとかを研究して日々を暮らす人生もあるのだなあ、自分はそうではなかったけど、と思いつつ、奥へと奥へと分け入っていった。
紹介された動物研究部主任研究官のクモ博士である小野展嗣さんの研究室をおとなった。扉を開けると、部屋のそこここへ無造作におかれたプラスティックの適当な水槽の中に、なにやら見たことのないような色とりどりのド派手なあやしいクモが、うじゃうじゃと蠢いている。びびった。
薄ぐらい研究室の奥で、よく分からない釣り雑誌を時間通りに待ち受け、ようこそいらっしゃいましたとやさしく迎え入れてくれて、「クモの糸で釣り糸が切れるんじゃないかと思うんすけどどうなんでしょ」というような、趣旨のよく分からない質問に対して、ねっとりと、きわめてていねいに対応してくださった小野先生は、あきらかにクモっぽかった。
もちろんスパイダーの方である。
このときの取材を掲載した『フライの雑誌』第41号をいま読み返したら、相当面白かったのだが、とっくに売切れのようです。ごめんなさい。
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ひとつなにかの研究を究めようとする研究者は、一流であればあるほど、その研究対象に自分の風貌が似てくる。そんな持論をわたしが確信したのは、このときの取材以降だ。
ナマズの研究者はナマズに、ユスリカの研究者はユスリカに、クマの研究者はクマに似てくる。しかもこの法則は、研究対象が生きもの以外の場合にもあてはまる。たとえばネジの研究者はネジに似てくるのだが、ここから先は、経験的な事実としてまたいずれまとめたい。

自分の場合は〝ティペットの管理がいい加減なために別にクモの糸絡みじゃなくてもスパスパ切れる〟が正解に近い気もする。
このあいだのボサ川釣行でもスッパスパ切れた。謎は謎のまま。
クモの糸でティペットは切れるのか?(1998) | フライの雑誌社 https://t.co/2GumRbIR8x pic.twitter.com/cDPvVG6qM3— 堀内正徳 (@jiroasakawa) July 5, 2021
〈フライの雑誌〉第122号を発行しました!
特集は、〈フライの雑誌〉初の入門編「はじめてのフライフィッシング1」。島崎憲司郎さん + 山田二郎さんの「初公開 ホットワックス・マイナーテクニック」です。
※取り扱い店舗様には2021年6月5日以降に並びます。
※少部数です。ご予約注文をおすすめします。
※Amazonなど各書店・ネット書店でも扱われます。ネット書店経由での発送は6月中旬からになります。

『身近で楽しい! オイカワ/カワムツのフライフィッシング ハンドブック 増補第二版』好評です。初版はまさかの即完売でした。

単行本新刊
文壇に異色の新星!
「そのとんでもない才筆をすこしでも多くの人に知ってほしい。打ちのめされてほしい。」(荻原魚雷)
『黄色いやづ 真柄慎一短編集』
真柄慎一 =著
装画 いましろたかし
解説 荻原魚雷

フライの雑誌-第122号|特集◉はじめてのフライフィッシング1 First Fly Fishing 〈フライの雑誌〉式フライフィッシング入門。楽しい底なし沼のほとりへご案内します|初公開 ホットワックス・マイナーテクニック Hot Wax Minor Technics 島崎憲司郎+山田二郎 表紙:斉藤ユキオ

初公開 ホットワックス・マイナーテクニック Hot Wax Minor Technics 島崎憲司郎+山田二郎
ホットワックスの溶かしの技も見られます。次号フライの雑誌-第122号「ホットワックス・マイナーテクニック」(島崎憲司郎+山田二郎)特集との補完関係が成立。#flyfishing #フライフィッシング
シマザキ・フライウィングV / 島崎憲司郎のフライタイイングの世界 https://t.co/cZfGFmyuPs
— 堀内正徳 (@jiroasakawa) May 19, 2021
「4枚のフェザーがフェザーのままセットされて、真ん中が膨らんでる。膨らんでるから泳ぐんです。フェザーの根元を接着剤でくっつけたのと比べると、ホットワックスの方がずっといいです。泳ぎもいい。気のせいかね。それをやってみますね。」https://t.co/m55KSVhM0N
— 堀内正徳 (@jiroasakawa) June 14, 2021
「DTEのテールの先端側をタールノットにしたやつを引っ掛けて2ピースの構造にすることもできます。何言ってるかわからないと思いますけど」
わかんないっす!
その5 シマザキホットワックスワールド / Shimazaki Hot Wax / 島崎憲司郎のフライタイイングの世界 / TMChttps://t.co/CwpHidRvzf
— 堀内正徳 (@jiroasakawa) June 14, 2021

フライの雑誌-第118号|フライの雑誌 118(2019秋冬号): 特集◎シマザキ・マシュマロ・スタイル とにかく釣れるシンプルフライ|使いやすく、よく釣れることで人気を集めているフライデザイン〈マシュマロ・スタイル〉。実績ある全国のマシュマロフライが大集合。フライパターンと釣り方、タイイングを徹底解説。新作シマザキフライも初公開。永久保存版。|島崎憲司郎|備前 貢|水口憲哉|中馬達雄|牧 浩之|荻原魚雷|樋口明雄

「ムーン・ベアも月を見ている クマを知る、クマから学ぶ 現代クマ学最前線」 ※ムーン・ベアとはツキノワグマのことです。

フライの雑誌-第121号 特集◎北海道 最高のフライフィッシング|121号の連載記事で人気ナンバーワン。夢を挟むタイイングバイス フライオタクの自由研究2 大木孝威(2020年12月5日発行)

版元ドットコムさんの〈読売新聞の書評一覧〉に『黄色いやづ 真柄慎一短編集』が載っている。もう本当にありがたいです。

真柄慎一さんのデビュー作 朝日のあたる川 赤貧にっぽん釣りの旅二万三千キロ
(2010)


春はガガンボ号 ガガンボは裏切らない。 頼れる一本の効きどこ、使いどこ

『フライの雑誌』第120号(2020年7月20日発行) 特集◎大物ねらい 人は〈大物〉を釣るのではない。〈大物〉に選ばれるのだ。|特集2 地元新発見! The new discoveries around your home
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『フライの雑誌』の新しい号が出るごとにお手元へ直送します。差し込みの読者ハガキ(料金受け取り人払い)、お電話(042-843-0667)、ファクス(042-843-0668)、インターネットで受け付けます。

ISBN978-4-939003-39-4
本体 1,714円
