いやーっ、いいなー!

本誌読者にはおなじみ、愛知県瀬戸市の老舗フライフィッシングショップ・FLYイナガキの川本勉さん(筆名:風磊人さん)が、つい二三日前に北海道の川でこんな風なことになりました。このマスはパッと見た目でかるく60センチはこえている。「ハマチみたいなレインボートラウト」だそうです。すげー。

写真を撮影したのは、『フライの雑誌』で川本さんの記事へいつも写真を寄せてくれているMICさん(美人)。この写真はジャンプした魚が落ちてきてくるところだそうです。本当は飛び上がった瞬間を撮りたかったと残念がっています。いやいやじゅうぶんです。

みなさまよくお分かりと思いますが、こんなショットはめったに撮れるものではありません。まず、いい魚をかけなくてはならない、ヒットするポイントを事前に予測しなければならない、さらに、ジャンプの瞬間にピントを効かせなくてはならない。いろいろうらやましいなー。

じつはこの場所は、わたしも知っている川の、見覚えのあるポイントです。立ち位置のバックへ木が覆い被さっているので、通常のオーバーヘッド・キャストでは手も足もだせません。いつもくやしい思いをしています。どうやってかけたのかを、川本さんへ電話でおたずねしました。

駆使したキャストはサークルC。スペイかぁ。フローティングラインを対岸の倒木の奥20メートルへサークルCで静かに届かせ、サーモンフライパターンのアンダーテイカー#8をゆっくり送り込んだところ、いきなりバーンとジャンプしたとか。「シングルスペイではちょっとむり」なポイントだったそうです。

フローティングラインでウエットフライを用い、遠くででかくていいマスをかけるというのは、川本さんが本誌の過去記事でも説いている、フライフィッシングのもっともオーセンティックな釣り方です。まるでサーモンフィッシングじゃないですか。きもちよかっただろうなあ。

スペイキャストってのはこういう風に使うもんです。えへん。(わたしが釣ったんじゃないけど)。

川本さんには次の『フライの雑誌』第100号にも原稿を書いていただくことになっています。この話は出てくるかどうか分かりませんが、本欄でハァハァ興奮して先行的にご紹介します。

ところで川本さん、みんなが待ってる懸案の逆ドリフトのDVD化はどうなったんでしょうか。

photo by MIC
photo by MIC