ふつうの人にとって、購入する前の本は(機会と価格が主として問題になる)コモディティだ。読んで内容を理解し、共感し、なんらかの関係を結ぶまでは。そしてその関係は読者と本との1対1であり、唯一のものとなる。(「電書1兆円」は正夢? (4):本はコモディティか)
電子書籍市場うんぬんの議論はおいといて、面白く読んだ。
出版物と読者との結びつきは、けっきょく「読んでもらわないと始まらない」。読んでくれない読者は読者ではない。顧客でもない。あたりまえ。じゃあ読んでもらうためにどうするか。読もうとしていない人を振り返らせてまで、自分のつくった本を読んでもらいたいか。
読んでもらいたい。うん。それが出版という病に陥った者の業というものだ。そして業というものはマーケティングからはもっとも遠い場所にある。ゴーヤチャンプル。