うちの池へ飛来してきた宝石のように美しいカワセミを、最初に発見したのが11月1日。それから一ヶ月半たった。
この春、池を作ってまもないころ、稚魚の状態のハヤたちを川からすくってきて、うちの池へ放した。それから幾星霜、原因不明の水漏れやヘビの襲来、近所の子どもの池落ちといった幾多の危機を乗り越え、こまめに餌を与えて面倒をみてきたので、こんな小さなうちの池だけれどハヤたちはすくすくと育った。
この頃は10センチ近くにも大きく立派になって、群れをつくって泳ぎ回り、水面でユスリカにライズしていた。そんな手塩にかけたハヤたちの元気な姿を見ては、わたしは目を細めていた。池を作ってよかったなと。
今、そのハヤたちが1匹もいない。
これから池を作りたいと考えている同志たちに、わたしは伝えたいことがある。
「カワセミには気をつけろ」
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