〈これがあれば、それさえあれば生きていける——〉?

古本ライターで『活字と自活』(本の雑誌社)、『本と怠け者』(ちくま文庫)などの愉しい著書のある荻原魚雷さんが、『フライの雑誌』を紹介してくださった

魚雷さんはフライをやったことがない。お会いした際に「このフラット・グリップ・レボリューションって何の特集ですか」と聞かれたので、グリップを平らに削ってみるとレボリューションですという特集ですと答えたが、伝わったかどうか分からない。フライをやらなくても魚雷さんは文章は読んでくれる。読んでくれればなんでこれが〈特集になる〉のかを理解してくれるだろう。

 これがあれば、それさえあれば生きていける——。わたしはそうした気迫と覚悟のある人たちの文章を読むのが好きだ。
 そして『フライの雑誌』は、そういう文章だらけの雑誌なのである。

樋渡忠一さんの「頭がフライフィッシング!」に反応してくださっているのがウレシい。魚雷さんのご指摘通り、『フライの雑誌』の寄稿者さんは、たしかにちょっと人の道を外れているひとばかりだ。あえて言い添えておくと、わたしはふつうだ。

魚雷さんの著書はどれも面白い。まず一冊をというなら文庫オリジナルで最新刊の『本と怠け者』を。

>『葛西善蔵と釣りがしたい』を紹介していただきました

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