ふだんはそんなに甘えてこない小学生の要望にこたえて、一緒に自転車で海を見に行くはめに。つい情に流された。海まで往復100㎞くらいかな。
早朝に出発して、ひたすらまじめにペダルをこいで多摩川沿いに下って行き、飛行機なんか見て、陽もとっぷりとくれた頃、文字通り這々の体で帰還した。
とにかく帰りがキツかった。おれ死ぬかもと思った。
脚がふるえてまともに歩けない。お尻も痛い。長い旅の末にようやくふるさとの川に遡上したのに、なにもできず、斃死寸前のホッチャレのようなわたしだ。
対して小学生はへいちゃら。もう一回ベーリング海行こうか? のノリ。このスティールヘッド野郎め。
パンパンになって熱をもったわたしの両脚に、世代交代の現実を感じざるをえない。むかしは自転車で脚が痛くなったことなんかなかった。これでもそこそこのサイクリストだったのじゃが。
たった30年前は。