今朝、『フライの雑誌』次号第102号の入稿を、すべて終えました。最新の第101号が出てからほぼ4ヶ月たっています。『フライの雑誌』はいま、不定期刊行をうたっています。とはいえ、102号は当初の予定よりスケジュールが余裕で3週間遅れました。
最新号の発行を心待ちにしてくださっている読者の皆さんには、たいへん申し訳ないことです。それから、とっくに102号用の原稿をくださっていた寄稿者の皆さんにもおわびします。
この発行遅れは1から99まで、編集部の力不足によるものです。あとの「1」は、7月中旬に出る第102号を手にとっていただければ、「あー、これじゃしかたないよね」とご納得いただけるはずです。ていうか、いい本を作ろうと思えば発行日が遅れるのはあたりまえじゃないかと、開きなおりたい気分です。
この期に及んで、まだ言い訳するのかと言われればまあそうです。わが編集部は1987年の創刊以来、ずーっと言い訳し続けています。筋金入りです。ちょっとやそっとじゃブレません。腕利きの釣り師は言い訳も上手です。
『フライの雑誌』次号第102号の発行は、現在のところ7月15日頃の発行を予定しております。とはいえ、今後の動き次第では多少のずれも予想されます。この期に及んで、まだ保険かけます。引き続き次号第102号の動向にご注目ください。どうも「とはいえ」と「この期に及んで」が頻出しているようですが、気にしないで下さい。
発行日は確約できませんが、出来映えでぜったいにがっかりさせないのは保証します。
さて、フライの雑誌社の出版物の印刷は、都内文京区の株式会社東京印書館さんにお願いしています。もともとは、たまたまわたしが書店で手にした本を「この本いいなあ」と思って、奥付にあった連絡先を見ていきなり電話して訪問したところ、よくもまあこんな妙でちっぽけな出版社の話を聞いてくれて、単行本は2005年の『魔魚狩り』『新装版 水生昆虫アルバム』から、雑誌は第73号からおつきあいが始まりました。
行きあってみれば、皆さんがよくしてくれたおかげで、すぐに仲良くなっちゃった。東京印書館さんは美術印刷では世界でも指折りの凄腕だと判明したのはあとからです。一介の零細出版社がつきあってもらえるようなお相手ではなかったようなのですが、先に仲よくなっちゃったのでよかったです。
釣りも仕事もこういうことは波長の問題のようです。
で、その東京印書館さんに以前うかがった時に〈JAPAN PROFESSIONAL PHOTOGRAPHERS SOCIETY 152〉という小冊子を見せてもらったところ、そこに掲載されていた「写真集のクオリティーを高める印刷技術」という対談の内容がものすごかったのが、強烈に印象的でした。
さっきたまたまネット上でその対談を見つけたので紹介します。
…髙栁 森山先生(森山大道氏)の最近の写真集はほぼ私がやらせてもらっているのですが、基本的に初校責了です。潰さずに思い切り暗部は強くしてグラビア印刷のようなコクを出してくれというのがほとんどです。グラビア印刷の墨インクというのは1色でもすごく濃度がありますが、それをオフセット印刷で出してくれというのが要望です。
熊切 写真集の意図した内容に合った印刷ということでしょうね。
髙栁 はい。モノクロ写真集は通常、墨版とグレイ版のダブルトーン2色ですが、森山先生のは、暗部濃度を強く出すためほとんど墨と墨で刷っているのです。ですから同じダブルトーンでも本橋先生(本橋成一氏)の写真集とは製版の仕方は…
単にプロと言ってもあれこれいろいろですが、ほんもののプロすげえ。リンク先でぜひ全文をお読みください。