『フライの雑誌』第102号 編集後記より
●編集部は連続雨量200㎜以上、あるいは時間雨量30㎜以上で雨漏りする。とある雨の日、大雨が降ると川の様子が気になる釣り師の本能に従い、近所の川を見てきた(お薦めしません)。顔見知りの子供がいたので危ないよと注意。川原は水浸しだが手前の草は寝ている状態で頭を出している。3日もすれば、下流からさしてきたいいハヤが釣れるだろう。
●今年も編集部の戸袋にムクドリが巣を作った。親ドリが帰ってくると、腹を空かせたひなたちが、いっせいにギョワギョワと騒ぎだす。追い払おうと思えば対処の方法はあるが放置した。戸袋でムクドリが子育てしている編集部の方が愉しい本を作れそうな気がする。うるさいけど。翌月やっとムクドリが巣立ってくれたと思ったら、今度は編集部の玄関扉の脇にアゲハの幼虫がぶらさがって、サナギになった。落とさないようにそーっと開け閉めして通っている。早くチョウチョになって飛んでいけ。
●今号の付録は、島崎憲司郎さんの羽舟竿によるバンブーロッド・キャスティングの風景です。第101号(34頁)に掲載したところもっと大きく見たいという反響を多数いただいたので大伸ばししました。写真説明の和文は小社HPで公開しています。『水生昆虫アルバム』に続く島崎憲司郎さん畢竟の単行本『Shimazaki Flies─シマザキ・フライズ』の企画がついに始まりました。進捗状況は小社HPでご確認を。
●今号も予定より遅れてすみませんでした。 (堀内)
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第102号巻末綴じ込み付録より
Even this bamboo rod is soft and flexible, the lashing power that comes through the rod grip generated by a sharp rotation and centrifugal force which is the result of a pendulum movement using the shoulder as the fulcrum, shoots a long and tight line that does not fall from the berry.
The picture is showing exactly the moment that the leader has just turned and reached the sweet spot in front of the rock sitting at the opposite shore. And by the later rod work, you can see the tip of the line is reaching toward the upper stream.
Rod: Ushyu Rod 8ft #4, 2pc, Yadake(Pseudosasa japonica / known as arrow bamboo), original V-slit grip, a typical limber rod.
Caster: Kenshiro Shimazaki.
Date: Dec14,2013.
Location: Watarase River, Kiryu, Japan.
Photo by Masanori Horiuchi @furainozasshi.
肩を支点とした振り子状の鋭い回転と遠心力によってロッドグリップから生じる鞭のようなパワーが、しなやかなロッドでもベリーが下がらない長いタイトラインを射出する。
画面は、対岸の岩の手前のスイートスポットに向けてリーダーがターンした瞬間。シュート後のロッドワークによって、ラインティップに上流側へのリーチが掛かっている。
ロッド:中村羽舟ロッド(8フィート4番 2ピース)、矢竹製、竹フェルール、Vスリット・グリップ
キャスター:島崎憲司郎
撮影:2013年12月14日
場所:渡良瀬川(群馬県桐生市)
撮影:堀内正徳(フライの雑誌社)