水力発電ダムができてしまったせいで、サーモンたちは生まれ故郷の上流まで遡上することができなくなってしまったのです。これをどうにかするために生み出されたのがこの「サーモン・キャノン」。サーモンを吸引して、サーモンをぶっ飛ばすのです。(abcxyz)
いいものを観た。
ダムができて問題が起きるのは魚だけじゃないですよね、というしごくあたりまえのひと言を突っ込んでおきたい。でないと日本の場合、研究者と大砲業者とお国がタッグを組んで、うちでも「サーモン大砲」「ウナギ大砲」「クニマス大砲」(?)作ってみませんか、ついては研究費をとかなりそう。魚ぶっぱなせばいいってものじゃない。
奥多摩の白丸ダムには、30億円以上の税金をぶっこんで作った国内最長級の〝きちがいじみた〟魚道がある。一般公開されているのでどなたでも見られます。
高低差27m、全長331mのこの魚道をご自分の目でひと目見てもらえれば、あえて〝きちがいじみた〟と言いたくなるきもちを、分かってもらえるのじゃないかと思う。
暗いのと狭いのがなにより苦手なわたしだが、白丸ダムの魚道には何回か行っている。『フライの雑誌』の記事にもした。
ネオ東京にとり残された廃墟みたいな魚道を遡上する、勇猛果敢なヤマメやニジマスに会いたい。でもいまだかつて、この魚道をのぼる魚の姿を見たことがない。