うちみたいな雑誌を作っていると、文章の魅力はうわべのテクニックじゃなくて書き手の抱えた熱にあることを、毎回思い知らされる。熱量が豊富すぎて全方向へほとばしっちゃうのを、ほんの少し矯正してさしあげるのが編集者のしごとだ。その分こっちも熱くなる。
中身が冷めてるのに具だけいっぱいごてごてと後のせしたようなお味噌汁は、温めなおす気にもならない。そういう切ないお味噌汁は『フライの雑誌』とは無縁なのは、とてもありがたいことだ。
と、かっこいいようなことを言ってみたが、新しいフライロッド欲しいな。なにかからわたしは逃げているんだろう。
次号第104号は予定通り進んでると思い込んでいたけれど、自分の原稿は一文字も書いていないことに、さっき気づいた。ゆうべはどこかへ行くフェリーに乗り遅れる夢を見たよ。そのあと自家製のジェット機で追いかけたの。
そして途中で墜落した。