みんながそれぞれ勝手にフライフィッシングでもしてれば、世界は平和なんだがなあ。(ひとりごとです)
DVD『ザ・シマザキ・イノベーション』(つり人社発行/2006年)のなかにこんなシーンがある。
島崎憲司郎さんが自分でつくったフライに糸を結び、自宅のバスタブで引っ張って泳がせている。それは独特の生命感にあふれる泳ぎで、さすがシマザキフライと感動する。と同時に観ているこちら側には、かすかに「島崎さんたらまたこんなことやって。」という思いもふとよぎる。
すると島崎さんがモニタの中からこちらの気持ちを見透かしたように言う。
「まあこんなことをやってれば、戦争にもならないわけですよ。」
そしてフライがバスタブの海をすいすいと、気持ちよさそうに泳いでいる。
(『葛西善蔵と釣りがしたい』147頁より)