昨日の冷たいみぞれまじりの午後、縁側で影が動いたんでカーテン引いたら、キジトラのふっくらしたきれいなネコちゃんが、こちらを向いて座っていた。くもった窓ガラス越しに至近距離でお互いの目が合って恋かしら。
暖かい部屋に入れて欲しかったんだろうけど、野良ネコはノミいるからなぁ。前にひどいめにあったぞ。だから(ごめんね。)とガラスの露に指で文字を書いた。映画のクライマックスシーンみたいだな。思わず顔を左右に動かして、わたしの指先の動きを追ってしまうネコちゃん。そこらへんはネコの性か。
しばらく座っていたけれど、意味が通じたのか去っていった。
さびしそうなネコちゃんの後ろ姿に胸がちくちくした。
今日も来るならちょっと考える。