マシュマロ・ダブルフライ・リグを試してきました。

おかげさまで昨日『フライの雑誌』次号第105号を校了しました。校正出待ちの18日月曜日と昨日の校了あとに時間があったので、イブニングだけ川へ行ってきました。釣り師は油断もすきもないのです。なにしろ先日のこのマシュマロ動画を見てからというもの、はやく自分で試したくて仕方なかったのでした。

島崎憲司郎さんオリジナルのマシュマロ・スタイルフライに関しては、2012年11月発行本誌第98号のシマザキワールド13で大きく特集しました。この号はいまだにバックナンバーでよく出る一番人気です。

マシュマロはフライフィッシング史上になかったユニークな構造を持っています。第98号記事をきっかけにマシュマロがよく釣れるフライということで再注目され、マシュマロ・ブームの本番となりました。もともとマシュマロを作る素材に使われていたエアロドライウイングの取り回しをよくした、マシュマロファイバーという新マテリアルも今年になってから登場しています。

今回のティムコさんの動画で島崎憲司郎さんは、〝マシュマロにもうひとつフライをつなげる〟という、新手のダブルフライ・リグを紹介しています。第98号をご覧になった方はピンと来られると思います。誌面でもそれに近いアイデアは紹介してあったのですが、今回はさらに実用性と汎用性が高まっています。しかも簡単、誰でもすぐに真似できる。

今まで誌面で何度となく語っているように、フライフィッシングでは新しい工夫を先にはじめた人からいい思いをするものです。となればまずおれが釣ってみよう、と、素直なわたしはソワソワした次第です。というわけで2日間のイブニングだけの釣りをざざっと以下、写真で紹介します。

川の様子はこんな感じ。平たい流れですが、ところどころに分かれているいくつかの澪すじは深くなって腰くらいまであります。
川の様子はこんな感じ。平たい流れですが、ところどころに分かれているいくつかの澪すじは深くなって腰くらいまであります。
ライズも何もなし。出る前に泥縄でタイイングしてきた103BL#13のマシュマロ+10番くらいのオポッサムニンフ金玉付き。オポッサムというマテリアルは使い勝手がいい上によく釣れます。最近はヘアーズイヤーよりこっちばかり使います。そのあたりも第98号で。一応言っておくと、見た瞬間にこのフライの写真は忘れてください。でないと『フライの雑誌』の読者が減りそうなんで。
ライズも何もなし。出る前に泥縄でタイイングしてきた103BL#13のマシュマロ+10番くらいのオポッサムニンフ金玉付き。オポッサムというマテリアルは使い勝手がいい上にたいへんよく釣れます。最近はヘアーズイヤーよりこっちばかり使います。そのあたりも第98号に出ています。ダブルフライの接続方法についてはティムコさんのマシュマロ動画を見てください。手前のマシュマロをリーダーグリースでべしゃべしゃにしておきます。マシュマロがインジケーター代わりになります。あと忘れずに一応言っておくと、写真の貧相なフライたちは、釣りに出かける前の10分かそこらで、わたしがきわめて適当に巻いたものです。見た瞬間に忘れてください。でないと読者が減りそうなんで。
すぐに30センチくらいのニジマスが来ました。巨大なタングステン金玉付きニンフでもびくともしません。水にひっかかってくれてゆっくり流れるのでドリフトがひじょうに快適でした。
すぐに30センチくらいのニジマスが来ました。べしゃべしゃにしたマシュマロは巨大なタングステン金玉付きニンフでもびくともしません。水にひっかかってくれてゆっくり流れるのでドリフトがひじょうに快適でした。
釣り雑誌の人とは思えない写真で申し訳ないです。ライズを発見したので先っちょのフライを正調マシュマロ・ピューパに交換。泣き尺ヤマメがこの激戦区で立て続けに2本来ました。
釣り雑誌の人とは思えない写真で申し訳ないです。ライズを発見したので先っちょのフライを正調マシュマロ・ピューパに交換。泣き尺ヤマメがこの激戦区で立て続けに2本来ました。マシュマロ・ピューパへライズするのを見てあわせました。手前のマシュマロにもちょこちょこ魚は反応していました。
気を良くしての2日目。ご覧の通りのハヤです。仕掛けは一昨日と同じ、マシュマロ・ダブルフライ・リグ。メンディング時にマシュマロが水にひっかかって耐えてくれます。ティペットをマシュマロに結ぶことによるフッキング率の向上はかなりのもののようです。じつは3X+フロロの1.5号という鬼仕掛けだったのですが(ひどいね)、いつもなら頻発するバレもすっぽ抜けも一度もありませんでした。これはいちばん重要かもしれません。なにせこの通りハヤでも釣れますからね。
気を良くしての2日目。ご覧の通りのハヤです。仕掛けは一昨日と同じ、マシュマロ・ダブルフライ・リグ。メンディング時にマシュマロが水にひっかかって耐えてくれます。ティペットをマシュマロに結ぶことによるフッキング率の向上はかなりのもののようです。じつは尺上狙いにしぼっていたので、3X+フロロの1.5号という鬼仕掛けでした(ひどいね)。いつもなら頻発するバレもすっぽ抜けも、一度もありませんでした。来たストライクはぜんぶフッキング。これいちばん重要かもしれません。なにせこの通り適当に巻いたフライなのにハヤでも釣れますからね。
今日の川はこんな感じ。なぜか一昨日よりも増水気味。あかるいうちはみごとにライズも魚っけもなーんにもなし。
今日の川はこんな感じ。なぜか一昨日よりも増水気味。あかるいうちはみごとにライズも魚っけもなーんにもなし。
ダブルフライ・リグなのに、食わせフライじゃなくて、手前のインジケ代わりのマシュマロ・カディスにハヤが食いついてきた図。20年くらいまえの11月にマジソン川へ行ったとき、現地の人に 10番のロイヤルウルフをインジケ代わりにしてその先にニンフをつけて流せと言われ、そのとおりにしたらイヤになるほどたくさん釣れました。ウルフが根性なくてすぐに沈むのには難儀しました。あのときにマシュマロ・リグを使ってたらもっと釣れたと思います。渓流でのダブルフライは日本ではまだそれほどなじみがないようですが、海の向こうではしごくレビュラーの釣り方です。要は自分が楽しく釣れて、魚もよく釣れる方法でそれぞれ釣りすればいいんじゃないでしょうか。
ダブルフライ・リグなのに、食わせフライじゃなくて、手前のインジケ代わりのマシュマロ・カディスにハヤが食いついてきた図。やはりマシュマロの威力は絶大です。20年くらい前にマジソン川へ行きました。現地の釣り人に、10番のロイヤルウルフをインジケ代わりにしてその先にニンフをつけて流せと言われ、そのとおりにしたらイヤになるほどたくさん釣れました。ただウルフが根性なくてすぐに沈むのには難儀しました。あのときにマシュマロ・リグを知っていたらもっと釣れたと思います。渓流でのダブルフライは日本ではまだそれほどなじみがないようですが、皆さんご承知の通り海の向こうでは米国でもヨーロッパでもしごくポピュラーな釣り方です。レギュレーションの範囲で自分が快適に釣れて魚もよく釣れる方法で、それぞれが自由に楽しめばいいんじゃないでしょうか。
釣り雑誌のひととは思えない写真ですね。マシュマロ・ピューパをくわえたヤマメ。リールシートのところに手前に結んでいたマシュマロ・カディスが写っています。マシュマロ・カディスのおかげで暗くなってもピューパの位置がよくわかるし、先述したようにアンカー効果を果たしてくれてドリフトも楽。その他メリットを数えあげるといいことがわらわらたくさん出てきそうです。が、わたしの解説だと信用なさそうなので、いずれ近いうちに、島崎憲司郎さんご本人に『フライの雑誌』誌上でマシュマロ・リグの利点について思いきり解説していただきたいと思っておりマス。
釣り雑誌のひととは思えない写真です。マシュマロ・ピューパをくわえたヤマメ。リールシートのところに手前に結んでいたマシュマロ・カディスが写っています。マシュマロ・カディスのおかげで暗くなってもピューパの位置がよくわかるし、先述したようにアンカー効果を果たしてくれてドリフトも楽。その他メリットを数えあげるといいことがわらわらたくさん出てきそうです。が、わたしの解説だと信用なさそうなので、いずれ近いうちに、島崎憲司郎さんご本人に『フライの雑誌』誌上へご登場いただいて、マシュマロ・リグの利点について抱腹絶倒のシマザキ節で解説していただきたいと思っておりマス。
校了あとの釣りはいいですねえ。生きててよかった。釣り師でよかった。
校了あとの釣りはいいですねえ。生きててよかった。釣り師でよかった。
第102号|特集:シマザキワールド 14
第102号|特集:シマザキワールド 14 Shimazaki Flies 2014 Selection
第98号|特集:シマザキワールド 13
第98号|特集:シマザキワールド 13 マシュマロ特集