「外来種新法施行に伴う釣りメディア関連者への説明会」(2005年5月)へ行ってきました。そこで感じた釣り人として、国民として、素朴な疑問を3つ紹介します。
1、
環境省の役人二人が「いくつかの水体で、オオクチバス、ブルーギルの防除活動(駆除=殺害)を妨害されている。釣り人が防除に協力してくれなくとも仕方ないが、妨害はしないでいただきたい。そのように広報して欲しい」と繰り返し発言。釣りメディアを対象とした説明会でわざわざそのような発言をするとは、「妨害しているのは釣り人である」ことを念頭に置いているが故と思われました。当然のことながら会場は騒然。質疑応答時に問いただしたところ、そのような考えはないとの返答でしたが、ではなぜわざわざ発言したのかという疑念はぬぐえず、環境省内に「釣り人=信用ならない者共」という決めつけがあることは明らかでした。
2、上杉担当官が防除指針の説明の中で、「防除作業をすることで初めて外来生物の生息状況、在来種の被害状況のデータを得られる場合がある。データの収集と整理は防除と並行して進めていく」と発言。つまり特定外来生物による被害があろうがなかろうが、狙いを定めた特定外来生物はとりあえず税金を使って殺してみてからあれこれ考える、ということです。また防除の方法の一つとして環境省は「水抜き、干しだし」を挙げていますが、それこそ当該水体の生物相を壊滅させる、環境破壊に他なりません。いったい何のための法律なのでしょう。
3、琵琶湖において稚アユなどの漁獲時に特定外来生物が混獲され、そのまま各地へ放流されていることはすでに常識です。そのことについての認識と対応を改めて問われた環境省・上杉氏は「漁業は水産庁の問題だから」と、同席した水産庁に回答を丸投げ。水産庁の役人二人は絶句して返答できませんでした。10分後、水産庁は「実態を把握していないので今後問題があれば水産庁と県とで調整していく」と、環境省と水産庁の力関係、および水産庁内での普段の仕事ぶりをご開陳するようなお粗末な回答を提示してきました。水産庁の実力に哀しくなりました。
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