釣りと戦争は似合わない。何度でも。

 釣は、人類の原始時代から、吾々と深い因縁を持つているらしい。子供は、すべて釣を好む。吾等の遠い祖先のやうな無心の姿で、子供は釣っている。

 釣らう。無心の姿で、釣するために釣らうではないか。

 戦争中は、時局に合わせるために、心身の練成であるとか、体位の向上であるとか、健全娯楽であるとか、いろいろの理屈をつけて竿をかつぎだした。そして、世間に憚ること一通りや二通りではなかった。

 釣りは、元来そんなものではない。人間の生活の、ありのままのものだ。釣することは、なにかの為になるなどと考えるのは、もうそれは釣りではない。静かに、釣らう。虚心の姿で竿を握らう。…

創刊之詞 月刊つり人創刊号 1946(昭和21)年7月1日

安全保障関連法案が採決されるという日の朝に、わたしが好きな文章を記しておく。第二次世界大戦敗戦の翌年、月刊つり人の創刊号にうたわれた。ひどい時代から解放された釣り人の、のびのびとした気持ちが伝わってくる。

戦争を起こさないように戦争以外のあらゆる方策を探すのが政治家の仕事だ。なのに戦争を防ぐより戦争の準備にご執心な人々がいる。金儲けと自己満足のために、自分の手は白いまま、誰かに誰かを殺させたい。

釣りと戦争は似合わない。戦争なんか起こされたら釣りができない。たかが釣り雑誌が平和の大切さを訴えるような世の中にしちゃいかん。かんべんしてほしい。

わたしはずっとハヤ釣りしたい。ずっと釣りしてへらへらしていたい。

おそらく今日の強行採決は、嶋大輔の芸能界復帰宣言を待っていたんだろう。男の勲章やだなー。ヤンキーのり苦手だ。どうもありがとうっ!

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つり人社さんのウェブサイトから
つり人社さんのウェブサイトから