ドライフライで一荷のオイカワ釣り

今の季節は一日中オイカワのライズがある。あたたかい日の午後はつい仕事の手がとまり、川へ行きたくなる。で、行ってしまう。残った仕事は夜なべでがんばればいいや。人生は一度きり。今日の秋晴れも一度きり。

…あの日から自分のオイカワ釣りの見方が変わった。オイカワ釣りの中には、フライフィッシングの要素のすべてがある。自分には何も見えていなかった。地元の身近な川にフライフィッシングのすべてがある。自分はそれを知らなかった。大きな後悔と、果てしない喜びの発見があった。(第106号45ページから)

思い通りのフライパターンと狙った通りの釣り方で、ほんの一時間たらずで何十匹も釣れる。楽しいとしか言いようがない。
わざと15ヤードくらいの先の遠目のライズを狙う。思い通りのキャストと期待通りのフライパターンとイメージ通りの釣り方で、ほんのわずかの釣りで何十匹も釣れる。楽しいとしか言いようがない。たぶんわたしは去年よりもその前よりも、オイカワ釣りはもとよりフライフィッシングそのものが上手になっているような気がする。まあこれだけやってればねえ。
きゅんきゅん左右に突っ込む。オイカワ釣りは断然バーブレスフック。メーカーは極小サイズのバーブレスフックのバリエーションをもっともっと増やしてほしい。極小と言っても20番くらいでいいから。
きゅんきゅん左右に突っ込む。オイカワ釣りは断然バーブレスフック。メーカーは極小サイズのバーブレスフックのバリエーションをもっともっと増やしてほしい。極小と言っても20番くらいでいいから。
夏にくらべればやせてるけど、スリムで元気。
夏にくらべればやせてるけど、スリムで元気。
この季節のオイカワはかんたんにドライフライで二匹いっぺんに釣れる。着水と同時に二匹同時に出て二匹同時にフッキングすることが多い。一匹出たのをかけて、そのすぐ後にもう一匹出たのをまたかけるのも楽しい。フライロッドを跳ね上げる方式のふつうのアワセでは少し無理だと思います。じゃあどうすればいいか。第106号のオイカワ/カワムツのフライフィッシング特集をどうぞ。全国の猛者たちが熱く語ってくれています。
この季節のオイカワはかんたんにドライフライで二匹いっぺんに釣れる。着水と同時に二匹同時に出て二匹同時にフッキングすることが多い。一匹出たのをかけて、そのすぐ後にもう一匹出たのを、またかけるのも楽しい。でもフライロッドを跳ね上げる方式のふつうのアワセではきびしい。じゃあどうすればいいでしょうか。第106号のオイカワ/カワムツのフライフィッシング特集をどうぞ。全国の猛者たちが熱く語ってくれています。
こんなのが二匹同時にかかるとけっこうすごい。「おっとっとっ」とか声が出る。
こんなのが二匹同時にかかるとけっこうすごい。2番ロッドに3番ライン、0.4号のハリスで「おっとっとっ」と声が出る。
けっきょく夕焼けまで釣りしてしまった。今日は広くて浅いプールで釣りしていた。夢中になっていたら、若い女性の声で「釣れますかー」。見ると土手の上で自転車を押した制服姿の若いカップル。娘さんの方がこちらに手を振っている。土手から手を振ってくれるような女子高校生の知り合いはわたしにはいない。川の中に立ってる釣りおじさんに声かけてくるなんて、ずいぶん社交的な娘さんだ。顔見えないけどおじさんには若いってだけでまぶしいよ。だから「釣れるよーお」と間延びした正しい釣りおじさんの返事をしてあげた。「何が釣れますかー」。何が釣れると言われて「ハヤだよー」。「ハヤですかー」。「ハヤですよー」。「釣りがんばって下さーい」。「がんばるよー」。今度は男の子の方もいっしょになって手を振りながら、楽しそうに土手を遠ざかっていった。釣りがんばってくださいって言われても、釣りだしなあ。しかもハヤだしなあ。おじさんもう少し釣ってから帰ることにする。
今日は広くて開けたプールで釣りしていた。夢中になって釣っていたら若い女性の声で「釣れますかー」。見ると自転車を押した制服姿の男女のカップルだ。土手の上で立ち止まってこちらを見ている。娘さんの方が手を振っている。高校生かなあ。土手から手を振ってくれる若い娘さんの知り合いはわたしにはいない。川の中の釣りおじさんに声かけてくるなんて最近の娘さんは社交的だ。顔は見えないけどおじさんには若さがまぶしい。だから「釣れるよーお。」と、まのびした正しい釣りおじさんの返事をしてあげた。「何が釣れますかー」。何が釣れるかと聞くんですね。ここは「標準和名オイカワだよー。」と答える場面ではなかろう。「ハヤだよー」。「ハヤですかー」。「ハヤですよー」。「釣りがんばってくださーい」。「がんばるよー」。今度は男の子の方もいっしょになって手を振った。二人で楽しそうに突っつきあいながら、土手を遠ざかっていった。若いっていいな。こっちは釣りがんばってくださいって言われても、しょせん釣りだ。しかもハヤだし。ハヤをどれだけ釣っても、社会にはなーんの役にも立たない。ただ自分が楽しいってだけだ。おじさんもう少し釣ってから帰ることにする。けっきょくまっ暗になるまで釣りしてしまった。
『フライの雑誌』第106号|〈2015年9月12日発行〉| 大特集:身近で深いオイカワ/カワムツのフライフィッシング─フライロッドを持って、その辺の川へ。|オイカワとカワムツは日本のほとんどどこにでもいる魚だ。最近になって、オイカワとカワムツがとても美しく、その釣りは楽しく奥深いことを、熱く語るフライフィッシャーが増えている。今号ではオイカワとカワムツのフライフィッシングを、大まじめに真っ正面から取り上げる。この特集を読んだあなたは、フライロッドを持ってその辺の川へ、今すぐ釣りに行きたくなるでしょう。 新連載 本流の[パワー・ドライ] Power Dry Flyfishing ビッグドライ、ビッグフィッシュ|ニジマスものがたり
『フライの雑誌』第106号|〈2015年9月12日発行〉|
大特集:身近で深いオイカワ/カワムツのフライフィッシング|オイカワとカワムツのフライフィッシングを、大まじめに真っ正面から取り上げました。この特集を読んだあなたは、フライロッドを持ってその辺の川へ、今すぐ釣りに行きたくなるでしょう。
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バンブーロッド教書 Sante L. Giuliani、永野 竜樹
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