シマザキ・ワールド 15
レッドアイリーチから30年
島崎憲司郎
Shimazaki World 15
Kenshiro Shimazaki
島崎憲司郎、2年ぶりのシマザキ・ワールド最新版。期待が渦巻く[Shimazaki Flies]プロジェクトの本人による経過報告と2016シマザキフライ
◆現在進行中の[Shimazaki Flies]についてのお問い合わせがいろいろ来ているらしい。この駄文の中にも「当事者報告を必ず入れるように」との釘を編集部から一本さされている。具体的な内容に関しての御質問も多い由。あれもこれもと期待されてしまっても困るので先に記しておくと、去年や今年始めたばかりの人には、さっぱりワカラナイ部分の方が多いだろう。だが、何年かして同じところを再び御覧戴きたい。あそうかナルホドと思うこともあるはずだ。
◆あえて言ってみれば、この釣りを相当やり込んだ方々が置かれている様々な状況のモヤモヤを晴らすヒント集のようなものですかね。ちなみに1997年初版の『水生昆虫アルバム』もそのようなスタンスを貫いている。今度のも馬鹿の一つ覚えであれと同じ立ち位置だ。
◆いま「立ち位置」と言ったが、何をやるにもこれがかなめだろう。物はついでなのでそれも明言しておくと、、、、
([Shimazaki Flies]について より)
特集2◎日本の[スチールヘッド]
〈夢の魚〉を追いかける仲間たちの熱くてまっすぐなストーリー
日本のスチールヘッドを追いかけて 奥田巌啓
海でライズする「ニジマス」/狙うはウインターラン/魚に負けた/同じ目標を追いかける仲間たち/何かが足りない、それは/仲間と同じ志を持つ喜び/勝手に涙があふれてくる
スチールヘッドの定義とは何か?/ニジマスよ、海を目指せ
「ハコスチ」って何だろう
※第108号は大ボリューム144ページ
・・・
本体1,700円+税〈2016年4月5日発行〉
ISBN 978-4-939003-66-0
内容紹介
◎フライフィッシングのある暮らし
季刊[フライの雑誌]第108号 目次
第108号もカラー大増ページ
002 「1位を取りたかったんです。」
第104号特集◎[これが釣り師の生きる道]その後 北川真理さん
004 釣り場時評81
「オレの釣り場をこわすな。」 長良川河口堰、東京湾埋立て、辺野古の基地建設に思う 水口憲哉
私達はどうすればよいのか。住民参加、環境正義、情報公開といった大義名分は必要ない。NIMBYと言われようが関係ない。
009 優しき水辺 斉藤ユキオ
since1989 連載100回記念アーカイブ(後篇) 第101回 ソニック・ブルーの中で(クロモジの木)
特集◎日本の[スチールヘッド]
鉄の頭、スチールヘッド、それは海へ下って川へ帰ってきたニジマス。
北米やカムチャツカへ行かないと出逢えないと考えられていたスチールヘッドがじつは日本にもいるのだと、以前から一部の釣り人の間ではささやかれていた。狙って釣れる魚ではないけどね、と付け足されるのが常だった。
夢の魚は、手を出さなければ夢のままで終わる。
夢で終わらせたくない釣り人もいる。
日本のスチールヘッドを追いかけて 奥田巌啓
海でライズする「ニジマス」/狙うはウインターラン/魚に負けた/同じ目標を追いかける仲間たち/何かが足りない、それは/仲間と同じ志を持つ喜び/勝手に涙があふれてくる
「スチールヘッド」の定義とは何か?
ニジマスよ、海を目指せ 堀内正徳
report 遊漁用ニジマス「ハコスチ」って何だろう。本当によく引くのか、「ハコスチ」を釣ってみた。
038 ニジマスものがたり3
─研究者として、釣り人として 加藤憲司
1978年、初めてのニジマスは、米国カリフォルニア州のマックラウド川産で、一ヶ月近く船に乗って日本にやってきた。
042 日本釣り場論77
内水面漁業振興法」をどう使うか2
魚類等の生息・増殖環境に配慮するように、河川管理関係各所へ要請した。河川管理担当はどんな反応をしたか
「県庁の河川管理部局の担当者は、『自分たちにとっては、まっすぐで真っ平らな川が理想。』と断言しました。」 「水産関係者は、アユの放流方法や魚病対策など、水産技術面で河川漁業を何とか回復させる努力を行ってきたと思いますが、それだけでは限界に達してきていると感じます。」
046 フライ業界サイドビュー8 拡大版
トラディショナル・スペイキャストの基本スタイル3
シングルスペイキャスト [スペイキャストの基本◎オリジナル図解] 川本 勉
トラディショナル・スペイキャストは終始、縦にループを展開し、方向転換を行う技術です。スウィーブもアンカーも必要ありません。かえってそれがむずかしいとされるようですが、頭を切りかえれば意外なほど簡単かもしれません。
052 悩まないフライマンたちへ44
〝海フライの腕の差〟とは何か 5年目の〝アジ釣り大会〟 から 中馬達雄
グリップをサムオントップにしてロッドを固定し、自分の意のままにリトリーブ・スピードを変化させる技を、覚えてください。
058 人生にタックル50
釣り場でコーヒーへの道 カブラー斉藤
’80年代初頭くらいまでのいわゆる「ヘビーデューティーな時代」を知るものにとっては、カップといえば「シェラカップ」であった。ここで「シェラカップ、熱くない」問題についても考えてみよう
064 パニック・ライズ17
マスキング・ハッチ(後篇) 松井真二
パニックライズに遭遇したニンゲンは、進む道が大きく2つに分かれる。ひとつは、より安易に釣れるライズを求め他の場所、あるいは他の川へ移る道。そしてもうひとつは、胃に穴が開いてしまうような痺れるライズに喜びを感じ、さらに深みへ足を踏み入れて行く道である。私が選択した道は後者であり、いまだに抜け出せない。現在も、パニック真っただ中なのである。
070 フライ職人のひとりごと14
明るいフライマテリアル! 牧 浩之
違法に製造されたフライマテリアルは、購入したお客さんにも迷惑がかかる。フライマテリアルを加工販売するためには、本当に多くの細かい規則を守らなければならない。フライマテリアルのコンプライアンスについて考える。
082 特集◎シマザキ・ワールド15 レッドアイリーチから30年
島崎憲司郎 Kenshiro Shimazaki
デニス・ブラックとスチールヘッド、ノースアンプカリバー
シマザキガガンボとランドール・カウフマン
デニスの鬼キャスト
テリーとデニスのネコたち
C.O.レッドアイリーチ
ファットフレディ(レッドアイリーチの2016年版バリアント)
[Shimazaki Flies]について
島崎憲司郎、2年ぶりのシマザキ・ワールド最新版。期待が渦巻く[Shimazaki Flies]プロジェクトの本人による経過報告と2016シマザキフライ
082 新シリーズ 隣人のシマザキフライズ1
マシュマロ・タランチュラ 近藤雅之
大型ドライフライ・パターンで定評のあるタランチュラだが、個人的には浮き方に今ひとつ使いにくさを感じていた。そこでボディをマシュマロにしてみたところ、悩みが一気に解消された。水面にぽっかり浮いて踊りながら流下するダンシング・ドリフトが、気むずかしい大型のマスを水面へ誘う。
084 グラスロッドの巨匠たち7 Masters of Glass
[連載を振り返って…グラスロッドの未来]
Todd E. Arai Larson / 永野竜樹
グラスの歴史と復活の背景、グラスロッドの未来への架け橋。過去6回の連載に登場した各ビルダーとグラスロッドの貴重な写真を一挙掲載。
vol.102 Mike McFarland マイク・マクファーランド/vol.103 Larry Kenney ラリー・ケニー/vol.104 Chris Barclay クリス・バークレイ/vol.105 Steffen Brothers ステファンブラザーズ/vol.106 Shane Gray of Graywolf Rods シェーン・グレイ/vol.107 Jory Ward ジョリー・ワード
090 本流の[パワー・ドライ]3
Power Dry Flyfishing 坂田潤一
ここで体験したことはきっと誰にも信じてもらえないと思うので、自分の中にしまってある。タックルを総入れ替えせざるをえなくなった、ということだけ言っておく。イトウとのやりとりで、命の危険を感じた。
098 現代アラスカ・フライフィッシング事情6
アラスカン・フィレナイフ ウッディ小林
ハンティング中にブラウンベアーが仕留められた後、必ずやって来るクマ嵐なのだ、とインディアンの古老がつぶやいた。フィレナイフを眺めるたびに蘇る。ゴーストタウン千夜一夜の物語。
105 カントリー・ライフ、サバイバル・ライフ
樋口明雄
牧浩之さんの〈山と河が僕の仕事場〉を拝読しているうちに、妙な既視感のようなものをおぼえた。何だろうと考えているうちに、この本が狩猟や釣りを描きつつも、移住〜田舎暮らしというテーマをあつかっているからだと気づいた。ぼくも八ヶ岳と南アルプスに挟まれた白州という土地に移住してきて、はや十七年になる。
112 川向こう5
四釜裕子
小田急線・代々木八幡駅下り方面改札を出て美容室の大きな看板を見ながら線路沿いに歩くと、税理士事務所の横にロウバイが咲いていてなつかしかった。数年前までこの近くに暮らしていた。
114 梅崎春生はどこで釣っていたか
荻原魚雷
梅崎春生に「突堤にて」という短篇がある。『悪酒の時代/猫のことなど 梅崎春生随筆集』(講談社文芸文庫)に収録されている。今なお、釣り文学の傑作としても読み継がれている作品だ。「どういうわけか、僕は毎日せっせと身支度をととのえて、その防波堤に魚釣りに通っていたのだ」
116 水辺のアルバム5
ジュゴンの夢 水口憲哉
イルカを守れ、クジラを殺すなと言ったケネディ駐日米大使が、普天間飛行場は辺野古への移設が最善だと言ったらしいが、我々ジュゴンはどうでもよいということかな。
120 4年目の猟期 高原町通信11
牧浩之
僕を見たイノシシは、興奮してこちらに向かって突進してくるが、ワイヤーが伸びきると勢いあまってその巨体が宙を舞う。ドスンという着地音とともに巨体がブルンと震える。間違いなく脂の乗った上等の大イノシシである。
132 レッドアイリーチ Lead Eye Leech
島崎憲司郎
ディナーの後、一人帰り二人帰りして、メルとぼくだけが残った。
「デニスたちは?」「とっくに帰ったさ。なんでTMCはダウンアイのサーモンフックを出さないんだ。ダウンアイの方がいいんだぞ」
「そうかな」「アップアイなんかダメだ」
「でも今日ぼくはTMC7999でスチールヘッドを釣ったけど…、それに、あのフックのアップアイは今までのとはちょっと違うんだ」
「ウンニャ…ダウンアイだ。おまえのファクスナンバーを教えろ、何番だ? もう一杯やろうぜ…スチールヘッドに乾杯」
129 トピックス
『原発に侵される海―温廃水と漁業、そして海の生きものたち』(水口憲哉著)書評:南日本新聞/わたしのオイカワ釣り場がつぶされ始めた。/フライ業界の人間が釣り場でトラブルを起こした/『山と河が僕の仕事場』(牧浩之著)に注目。テレビで特集番組も/水産庁〈遊漁の部屋〉が情報を大幅拡充してリニューアル/河口湖のワカサギが、突然釣れ出した/2冊が同時に[ベストセラー1位]/BOOKS
140 読者通信/ショップリスト
144 編集後記
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編集発行人:堀内正徳 表紙:島崎憲司郎
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