『外来種は本当に悪者か?』 Why Invasive Species Will Be Nature’s Salvation/Fred Pearce (草思社)を読みながら。
民族浄化ならぬ生態系浄化の狂信ぶりには、科学も太刀打ちできない。
171頁
日本ではニセ科学と政治が互いの利益のためにタッグを組んで、外来種叩きへ国民を洗脳・扇動するんだから、なお堪らない。
〈櫻井よし子、平沼赳夫と小池百合子で「つくろう、ブラックバス駆除ネットワーク」〉みたいなのへ自分が感じる嫌悪の理由は、まさに科学と政治が合体した翼賛風味にある。個別バス釣りが好きだ嫌いだとは全く関係ない。
自然界でおきる生物の交雑を「遺伝子汚染」と呼ぶメンタリティには、人間のごう慢が凝縮されている。
ある生物の存在が好ましくないと主張する理由の裏側に、個人のイデオロギーなり、ルサンチマンを忍ばせるから妙なことになる。「ブラックバスで岩魚が食う」みたいなことになる。するとその齟齬を利益誘導に利用しようとする輩がワラワラ出てくるよね、という構造。
挑発的な文体、戦争用語のたとえ、外国嫌悪の感情をあおる表現は、外来種を取り上げる科学者の文章に共通する特徴で、研究論文にまでその傾向が見られる。 とにかく物騒なのだ。
177頁
ヘイトスピーチそのものやね。 (~_~;)
「侵入生物学者」の英国での政治科学経済を股にかけた大活躍ぶりを知ると、日本で外来魚を必死に叩いてる魚類学会の一部あたりは、良くも悪くも「魚屋さん」なんだなと思う。つまりただのヲタ。
魚に限らず、そんなヲタさん連中を自分らの都合のいいように利用する政治家と役人と、その言いなりのマスコミが、まさに英国における侵略的外来種とされる日本産イタドリのように何重にもはびこってるのが、我が国日本である。
情況はむしろ英国よりワルい(~_~;)
外来種排斥の嵐はなおも吹きあれる。2014年、EUは〈憂慮すべき外来侵入種〉の所有、輸送、販売を禁じる新しい法律を承認した。対象リストはまだ公表されていない
201頁
↑ これはまったく知らんかったー。書いているのが英国のジャーナリストさんというのが趣深い。
劣等で、異質で、適合しない人間を追放して社会を浄化せよというのが優生学なら、それをそっくり外来種に当てはめたのがクレメンツ生態学だった。
233頁
小池百合子の親学とかもだね (^_^)a
生態系のニッチを見つけることは、恋とちょっと似ている。世界でたったひとりの最愛の人とめぐりあえたと思うかもしれないが、実際は身近にいたから好きな気持ちが芽ばえただけだったりする。恋人がほしい人は、エコロジカル・フィッティングを勉強しよう。
237頁
こういう物言いは大好き。おもしれー(^o^)/
わたしがイエローストーン国立公園へ最初に釣りに行ったのは1998年で、公園の三分の一以上が燃えたあの大火事から、10年がたっていた。火事の傷跡は深いと見えた。翌1999年に行ったときも荒涼感があった。でもそこからさらに10年の間に、森は急速に復活したのだという。
> 『外来種は本当に悪者か?』(草思社)を読みながら思いついたことのメモ その2
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『外来種は本当に悪者か?』は、ただの釣り好きの科学ど素人にもえらく面白く読める。なぜか知らないけど、今すっごく売れてる。Amazonでジャンル別のベストセラーだ。
こういう社会展開になってくると、『フライの雑誌』の次号109号の巻頭に、〈発言! 最近の[外来生物行政]にもの申す〉という、かなり長めでおカタいオピニオン記事を思いきって掲載したのは、とてもグッドタイミングで、意味があった。この〈発言!〉も多くの人に読んで欲しい。
また、自然と人間との関わりについて、この本の著者が語っているのと同様の趣旨を水口憲哉氏は、すでに20数年前の小誌連載「釣り場時評」で多方向から指摘している。単行本『魔魚狩り』に収録している。併せて読んで欲しい。
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フライの雑誌 125(2022夏秋号)
> くわしい内容はこちら
Flyfishing with kids.
一緒に楽しむためのコツとお約束
子供と大人が一緒にフライフィッシングを楽しむためのコツとお約束を、子供と大人で一緒に考えました。お互いが幸せになれるように、子供が子供でいられる時間は本当に短いから。
子供からの声(10〜12歳)|大人からの声|水産庁からの声|子供と遊ぶための道具と技術と心がまえ|釣り人の家族計画|イギリスの場合|「子供釣り場」の魅力と政策性
特別企画◎シマザキワールド16 島崎憲司郎
座談会「みんなで語ろう、ゲーリー・ラフォンテーン」
そして〈シマザキフライズ〉へ
ちっちゃいフライリールが好きなんだ|現役で使えるグリーンハート製ロッド大集合!|湯川の娘 知来要|カワムツはいつ、どこから来たか|海女のゆく末|メガソーラーの問題点
水口憲哉|中馬達雄|川本勉|斉藤ユキオ|カブラー斉藤|大木孝威|荻原魚雷|樋口明雄|島崎憲司郎
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