毎日川へ行けば、毎日新しい発見があるのが、オイカワのフライフィッシング。
ひとりでオイカワ釣りをしているときは、釣りに集中していながらも、家のこと、自分のこと、しごとのこと、世の中のよしなしごとへの色んな思いが、同時並行的に頭のなかに浮かぶ。渓流釣りのように足元に気をつかうこともなく、気持ちがピュアな状態で、川歩きで身体を動かしているからだろうか。
今週のオイカワ釣りで思いついたのはこんなこと。
困ってるお姉さんを出会い系バーで探してパフェ食べさせて一本釣りで助けるのは趣味のレベルで、貧困による教育格差を解消する根本的な施策を打ち出すのが公職でしょうに事務次官。遠山の金さんか。
そういえば産業管理外来種で5月にパブコメやるって言ってたのはどうなっちゃったんだろう水産庁。
「そこに水がある。水がある限り、魚にはすむ権利がある。そこに川があり魚がすんでる以上、釣り師には釣るという権利があるのじゃあ。しかしじゃ、てめえらはその川にダムをつくろうとしとる。水があるのに魚がすめなくする権利がいってえどこのだれにあるというだ。」
いまだ夜泣谷の銀次以上のダム反対の論理に出会ったことがない。
小学生の時、給食の食べ残しの食パンを机の奥にしまいこんで夏を越し、得体のしれない青カビのかたまりにして、先生と親に死ぬほど怒られた。そんなわたしには、核燃料のくずをビニール袋で26年保管していたJAEAの気持ちが少しだけわかる。見たくなかったんだ。
「36万ベクレルの内部被曝は原子力の歴史で初めて」なんてウソ。作業員さん二人が亡くなった1999年の東海村JCO臨界事故はそんなものじゃない。あまりに放射能が強烈すぎて測れなかった。外部被曝だろうが内部被曝だろうが被曝は同じ。
今ごろ気づいたけど、不特定の他人様と〝交流〟するのがものすごく苦手だ。そしてそんな面倒な所信は、人生を快適に過ごす上ではわざわざ宣言しなくていい。
「おい、分かってるよなコラ。」「もちろんでございますとも。はい許可。」「わっはっは。」「ふっふっふ。」 巷で流行りの忖度ってこういうことか。縁がない。
むずかしいこと分からないけど、象徴天皇制って忖度システムの最たるものじゃなかろうか。
親なんて自分の子供が何をやったって、心配で不満で、うれしくて幸せで、がっかりするもんだと分かった。
うーん。世俗にまみれている。ぜんぜんピュアじゃない。こんなこと考えながらオイカワ釣りしているなんて、オイカワに失礼だなあ。
・・・
今日の釣りはこんな感じ。




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(『フライの雑誌』編集人)
ISBN 978-4-939003-55-4
B6判 184ページ / 本体1,500円
「友の会」会員は税込540円