柿とサンマとジャガイモと

◯先週末、おねえさんと道路で立ち話した。秋深いそよ風にあたりながら、季節の風物詩についての会話が弾んだ。なごやかな会談の終わりには、私の「自家製サンマの干物2枚」と、おねえさんの「北海道から送って来たジャガイモ」と「庭で採れた柿10個」を交換した。「この柿は評判がいいのよ。」とのことだった。たしかにびっくりするほどうまかった。

◯今朝、新聞をとっていたら、おねえさんが庭先から声をかけて来てくれた。この間のサンマの干物は本当においしかったわ。このうまいサンマの干物の作り方を教えてもらえないかしら、とのことだった。

◯私の干物つくりは、鹿児島の中馬さんから教えてもらったやり方をアレンジしたものだ。要は魚がよければ干物もうまいんです、とおねえさんに説いた。干物ネットは上州屋さんで売っていますよ。サンマは北野の市場で新鮮なものを選んで買いましょう。一匹100円以上出してはいけませんよ。80円が目標です。サンマなんですから、と、そんなことまで語った。

◯中馬さんは干物ネットを使用すると魚の乾燥が甘くなると言う。中馬式では塩水につけた魚を洗濯物バサミにずらりと満艦飾でぶら下げて干す。そのやり方はサンマだと少し無理があるように思う。きれいに腹開きで開いた状態のまま干せないし、大型サンマだとそれなりに重量がある。地面に落っこちたら元も子もない。だから私は干物ネットを使っている。付け加えると、うちの5歳児は鹿児島のカマスの干物でここまで育ったようなものだ。もうとっくに冷凍庫の在庫がなくなりました。

◯おねえさんとの今朝の会談後には、昨日新しくつくったサンマの干物2枚をあげた。するとおねえさんは「あなたカボス食べる?」 「食べます食べます、だってサンマにはカボスですよ。」ということで、「庭でとれたカボス10個」をもらった。そして5分後、玄関のピンポンが鳴ったので出てみたらおねえさんが立っていて、さらにまたジャガイモをもらった。なんだか申しわけない。また干物つくりますね。ちなみに、おねえさんは私より35歳くらい(かもっとずっとよく分からないくらい)年上だと思う。

◯『フライの雑誌』次号87号の校了締め切りと、「幸せを呼ぶ2010年『フライの雑誌』オリジナルカレンダー」の発送が、見事に重なった。カレンダーをこの季節に完成させたのは、ちょっとまずったかもしれない。おかげさまでこんな時代でもたくさん注文をいただけるのは本当にありがたいが、連日てんやわんやである。

◯昨日、河口湖の知り合いから私の携帯に電話をいただいた。「ワカサギ釣れてるよ!」とのこと。これ以上ないダイレクトな情報だ。さっそく今月のカレンダーの予定日に「河口湖ワカサギ入れ食い(予定)」と書きこんだ。ワカサギの干物もこれまたうまい。