お盆休みはフライタイイングに限る。

多摩川のオイカワ釣り用に巻いた。伝承ハヤ毛鉤と西洋毛鉤のハイブリッド。カラス、ホタル、清姫、青胴などの私家版。クイルボディを巻くのは楽しい。どれもハックルちょっと長めだけど気にしないで。

金玉の代わりにビーズ、金タグの代わりにヴィーヴァススレッド、赤クイルを一巻き入れる代わりにストレッチボディなど、合理性を勘案してみた。和式伝承鉤なのに南半球のオポッサムが顔を出してるのもご愛嬌。

黒いクイルボディは、牧浩之氏が猟してきた九州宮崎産のカラスの外羽根。ただの黒じゃない。深いメタリックな蒼みがかって、怪しく光る。いかにも釣れそう。実際に明らかに他の羽よりよく釣れる。

フライタイイングとフライマテリアルとの関係は、料理と食材そのもの。工夫すれば可能性は無限だが、素材だけで勝っちゃうこともある。俗に言う「肉勝ち」現象のこと。

「肉じゃがに飛騨牛使うなんて、お義父さん、そりゃ反則です!」と、わたしは叫んだことがある。

妻の実家で。

わたしが悩んだ末に買ってきたグラム300円のお肉の身にもなってください。

> cf. シャア専用飛騨牛グラム1500円へブラインドアタック

いまの時季のオイカワのフライフィッシングならフックサイズは18番で大丈夫。ハリが小さいと逆にフッキングが悪い。それに口の中に入っちゃって外すのに苦労する。かわいそう。爆弾落とされたあとで上空から「かわいそう」って言われたらふざけんなって思うだろうな。
オイカワ用の伝承ハヤ毛バリは第112号で記事にしました。保存版です
大特集◎オイカワ/カワムツのフライフィッシング(2) フライフィッシングの魅力いっぱいの身近なビッグゲーム 人気特集第二弾! ベストフライとその釣り方・オイカワロッド振り比べ・台湾のオイカワ・伝承ハヤ毛バリ・分布と増殖・実戦ドライの釣りとスイングの釣り他 ●中村善一×島崎憲司郎 異分野対談 画家の視線とシマザキワールド (後篇)●山と河が僕の仕事場 牧浩之 ●ニジマス物語最終回 加藤憲司 ●海フライ 中馬達雄 ●荻原魚雷 樋口明雄 ウッディ小林 ●マグロを釣るのは罪なのか 水口憲哉 ●ルポ:シマザキフライズ・タイイングセッション フライの雑誌 112(2017秋号): amazon 
 
重版 山と河が僕の仕事場|頼りない職業猟師+西洋毛鉤釣り職人ができるまでとこれから(牧浩之著)
新刊 『山と河が僕の仕事場2 みんなを笑顔にする仕事』(牧浩之著)