9日の閣議で、「特定外来生物」の第2次選定分規制対象種に34種の生物が追加される見込みとなっています。注目は無脊椎動物の「上海ガニ(チュウゴクモクズガニ)」と、「ウチダザリガニ」。
つい先週出かけた上野アメ横の路上では、生きている上海ガニがザルに山盛りにされて売られていました。小さいのなら一パイ500円くらい。新宿あたりの中華料理店では、一パイ1500円前後が最低価格でしょうか。今後ふつうに食べられるのかどうかが心配です。上海ガニの美味さについては今更言うまでもありません。
10年以上前のことですが、私はオホーツク沿いの町の縁日で「焼きウチダザリガニ」の屋台を見つけたことがあります。ほわっとして香り高く、ひじょうにうまいザリガニです。このウチダザリガニ、もとはといえば日本の行政がアメリカから食用として持ち込んだものです。世界的に貴重な神秘の湖・摩周湖へも放流しています。今でも摩周湖や阿寒湖ではその時の子孫がたくさん自然繁殖しています。
ウチダザリガニの亜種で、滋賀県高島市の人造湖「淡海湖」だけにすむとされるタンカイザリガニというのがいます。地元の中学校では<タンカイザリガニ減少の大きな要因となっているブラックバスを捕獲する運動>が行われているそうです。京都新聞 2005年8月30日(火)。『フライの雑誌』第71号掲載。
しかしながら、特定外来生物二次指定の原案リストには、ウチダザリガニと並んでこのタンカイザリガニの名も明記されています。こういう場合、中学生にどうしろと教えるのでしょう。
事態はいよいよ混迷の度を深めているようです。