第103号特集「次の一手」に寄稿してくれた若者の、「次の一手」の仕込みがまさかの成就! との報告の電話をもらった。よくやった! 釣り師人生の新しい扉が開いたね。年の瀬に大きな声で〈おめでとう〉を叫びます。
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「とりあえず近くの堤防から、フライを投げてみてください。潮さえ動いていれば、フライに反応する魚がいます。」
(中馬達雄)
「フライの雑誌」第81号に掲載されたインタビューの中から中馬さんには珍しいストレートなありがたいひとこと。
やってみれば分かるけどこれはその通りで、それなりのキャスティング技術とシンキングタックルは大前提として、三浦から伊豆あたりの堤防であれば、カマス、アジ、ハゼ、ネンブツ、エソ、コチ、ムツなんかなにやかやと周年釣れる。
魚種とサイズを気にしなければすっごく楽しい海フライ。
といっても、そんなかんたんに片付くものだったなら、中馬さんたちが30年以上もあそこまで海フライを突っ込んでやってないことは、本誌連載を読んでいる方ならお分かりのはず。
じゃあ、本当のところはどうなってるの? がよく分かる海のフライフィッシングの単行本、フライの雑誌社の人気シリーズ「海フライの本」の第三弾、『海フライの本3』を来年の上半期に出版します。
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作文のときの一人称を、「おれ」、「ぼく」、「僕」、「ボク」、「私」ときて、最近は意図的に「わたし」にしていた。
そろそろ、「わし」を試していい年ごろだ。わしの来年の抱負にする。
いま思うと、20代の始めに一時期採用していた「ボク」は、全くキャラ違いだった。
明らかに西山徹さんの影響だった。
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友人と電話。
「ほら、あの川さ。皆で大事にしてたのに橋の名前ごとYouTubeにあげたのがいてダメにされた。」
どんな人か分かってるの?
「あいつだって、みんな知ってる。」
何のためにそんなことするの?
「さっぱりわからん。」
まったく釣り師の風上におけないバカだな。皆んなで石ぶつけちゃえばいい。
と、冗談ぽく言ったけど本心だよ。
釣り雑誌が誌面でポイント紹介をやるのは金もうけだ。金もうけの記事に協力する「釣り業界の人」や、「有名になりたいんだか褒めてほしいんだかよく分からない気持ち悪い釣り人」ごと、非難囂々されて当然だ。
それが最近は、ぽっと出のシロト釣り師さんほど、懇切丁寧にまんま動画でポイント案内する。よく分からない度が亢進していて、さらに始末がよくない。
自己実現だか承認欲求のために釣りを使うのはやめてほしい。
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先生へ電話。いろいろお話しして、指摘と教示もいただいて、今年の自分の仕事はおおむね間違ってなかったんだなと思った。それなりによくやった、わし。
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来年は足もとから地続きになっている。